ティモンディ 元高校球児が魅せる独立独歩のお笑い道

ティモンディ 元高校球児が魅せる独立独歩のお笑い道

元・高校球児の熱血お笑い道

野球経験者の芸人というのは昔から珍しくはないが、その中でも実力は歴代ナンバーワンではないかと言われているのが、ティモンディの高岸宏行である。

ティモンディは元・高校球児として知られる若手コンビだ。高岸と前田裕太は高校野球の名門である愛媛県の済美高校の野球部出身である。高岸はピッチャーとして、高校時代には最速147キロの豪速球を誇っていた。高校卒業時にはプロから育成枠で指名される話も持ち上がっていたが、それを断って大学に進んだ。

抜群の運動神経を生かしスポーツ関係のロケ番組などで活躍

大学では故障をしてしまい、プロへの道を断念した。だが、その後も体力作りのためのトレーニングは続けていて、今でも仕事場へは自転車で移動しているほどだ。

そんな彼らは、抜群の運動神経を生かして、スポーツ関係のロケ番組などで活躍している。トーク番組でも、全身オレンジの衣装に身を包み、ゆったりした口調でポジティブなことしか言わない高岸のキャラクターは人目を引く。芸人としては唯一無二の存在感を確立している。

熱血ぶりは松岡修造、ゆっくりしたしゃべり方は渡部陽一、怪物じみた不気味な存在感はオードリーの春日俊彰にも似ている。いわば、高岸は、それらの要素をつぎはぎしたフランケンシュタイン的なモンスター芸人である。

しかし、彼の根底には、高校野球の名門校でピッチャーを任されていたという圧倒的な実績がある。抜群の身体能力と厳しい練習に耐えてきた精神力の強さは折り紙つきだ。

ティモンディは野球でいうバッテリー

また、そんな彼をサポートする前田の存在も大きい。前田は自分たちのコンビを野球のバッテリーにたとえていたことがあった。高岸がピッチャーで、前田がキャッチャー。前田は、自分の仕事は高岸にいい球を投げさせることだと割り切り、そのための環境を整えることに全力を注いでいる。

高岸にのびのびと動いてもらうために、あえて台本は読まなくていいとアドバイスしたりすることもあるという。お笑いコンビでは、片方ばかりが目立っていると、もう一方に嫉妬心が芽生えてしまいがちなものだが、前田にその気配はない。どんなに高岸ばかりが目立っていても、前田は腐る様子がない。

野球はチームプレーのスポーツである。ピッチャーばかりが目立って、キャッチャーが目立たないからといって、キャッチャーが嫉妬しても仕方がない。大事なのはいい球を投げさせて、試合に勝つことだ。前田はそう割り切っているのだろう。

高岸がしばしば口にする 母校の校訓「やればできる」

彼らは「お笑い第七世代」と呼ばれる特定の世代の若手芸人が注目される時代に世に出てきた。年齢や芸歴などの定義の上では彼らも第七世代に該当している。だが、彼らは第七世代と呼ばれることはほとんどなかった。そのため、第七世代の爆発的なブームとその収束の影響をほとんど受けることがなく、独立独歩の活動を続けることができた。

高岸がしばしば口にする「やればできる」は、彼らの母校である済美高校の校訓だ。「やればできる」と思い続けて、夢を叶えてきた彼らはお笑い界最強のバッテリーである。

お笑いTVで、ティモンディの関連動画を観る。