ハナコ 第七世代ブームの立役者が披露する実力派トリオのコントとは?

ハナコ 第七世代ブームの立役者が披露する実力派トリオのコントとは?

第七世代のコント職人

昔も今も「コント番組をやりたい」というのは、芸人を志す若者にとっての大きな夢や目標であり続けている。『オレたちひょうきん族』に始まり、『とんねるずのみなさんのおかげです』『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば』『ダウンタウンのごっつええ感じ』『はねるのトびら』『ピカルの定理』など、など、それぞれの時代ごとに一世を風靡したコント番組があり、レジェンド芸人たちはそこを拠点にして自分たちの笑いを世の中に発信してきた。

しかし、『ピカルの定理』が終了した頃から、大ヒットするようなコント番組がなかなか出てこなくなった。一時期はコント番組どころか若手芸人がネタを披露するネタ番組自体が激減してしまい、「芸人が売れるにはネタよりもキャラやギャグの方が大事」などと言われるようになっていた。

第七世代ブームの立役者

そんな中で、キャリアの早い段階から自分たちはテレビでネタをやりたいという信念を持ち続けて、その夢を叶えた数少ない芸人が、実力派トリオのハナコである。

彼らはあの「お笑い第七世代ブーム」の立役者のうちの1組である。2018年に『キングオブコント』で彼らが優勝して、同じ年の『M-1グランプリ』で霜降り明星が優勝したことで、第七世代ブームの幕が開いた。

その後、霜降り明星があらゆる分野のバラエティ番組に出ていくようになったのに対して、ハナコはテレビでもネタにこだわった。この時期にはネタ番組も少しずつ増えていき、彼らの持ち味を出せるような場所がテレビの中でもじわじわと広がっていた。

2021年にはフジテレビで『新しいカギ』が始まり、彼らはコント番組をやるという夢を叶えた。それ以外でも、変則的なロケコント番組である『有吉の壁』など、ネタをやることを軸にした活動を続けている。

菊田は「死に役」になることも

ハナコのコントの特徴は、3人の役割分担がはっきりしていることだ。表情豊かで演技力の高い岡部大が主役になり、地味でおとなしそうな秋山寛貴がツッコミ役や普通の人の役を担当することが多い。そして、不気味な存在感の菊田竜大は第二のボケ役になったり、ときには明確な脇役に回ったりする。

ネタによっては菊田がほとんど目立たない「死に役」になることもある。これはトリオのコントとしては割と珍しいことだが、菊田自身もひょうひょうとしたキャラクターの持ち主であり、それを嫌だとも思っていないようだ。そんな彼だからこそ、脇役や死に役を堂々と務めることができるし、それが彼らのコントの幅を広げている。

ネタの面白さを売りにしている彼らは時代の波に流されることがないので、息の長い活躍が期待できそうだ。

お笑いTVで、ハナコの関連動画を観る。