面白くなるためには? 思考力やネタの考え方等を徹底解説

面白くなるためには? 思考力やネタの考え方等を徹底解説

面白いとは?

お笑い番組を見て、一度も笑ったことがないという人は少ないと思います。じっくりと楽しむお笑いもありますが、基本的に笑うという行為は瞬発力を伴ったものです。笑おうとして笑うのではなく、気が付けば笑ってしまっていた、という場合がほとんどでしょう。観客はお笑い芸人のネタを見て、「面白い!」と感じ、笑います。しかし、「何が面白かったのか?」を後になってから冷静に分析することは稀なのではないでしょうか?

どのような時に笑いが生まれるのか?

思いもしなかったようなボケや、ワードセンスが光る鋭いツッコミ、勢いにつられてしまう一発ギャグから、見た目のインパクトがずるい顔芸に至るまで、お笑いのネタにおける「笑いどころ」は無数に存在します。

プロのお笑い芸人たちは「どこで観客を笑わせるか?」を緻密に考え、ネタを構成しています。彼らは知識と経験によって、「どのような時に笑いが生まれるのか?」を知っているのです。ここに、「面白さ」を理解したり、面白くなるためのポイントが隠れています。この記事では、お笑い芸人たちの思考を元にして、どうすれば面白くなれるのかについて考えていきます。

「面白い」を理解するために必要なこと

面白くなるためには、そもそも「面白い」とは何なのかを知る必要があります。あのネタを見て、自分はどうして笑ってしまったのか。特定の言葉が面白かったのか、勢いに面白さを感じたのか、それとも、それまでの掛け合い全体がツボに入ったのか。それらを逆算していくことで、「面白い」について考えを深めることができるのです。

面白い・面白くないを含めて多くのネタを見る

ここからは、「面白い」を理解するためにすべきことを紹介していきます。前述の通り、一番最初にすべきなのは、プロのお笑い芸人たちのネタを見ることに他なりません。フランス料理を食べたことがない人間がフレンチのシェフになることは極めて難しいです。

また、ひとつのお店で決まった料理しか食べたことがない人間も、その料理に特化することはできても、コース料理を要求されるシェフにはなれませんよね。それと同じように、多種多様な「面白い」を理解するためには、なるべく多くのお笑いを吸収する必要があります。

好きなものはもちろん、自分が面白いとは思えないものでも積極的に見ましょう。世間的にウケているということは、自分の感性には刺さらなくても、そのネタに「面白い」が存在しているということを意味します。その面白さを客観的に理解できれば、「笑い」を俯瞰的に捉えることが可能になるのです。

どのような言葉や場面が面白いかを考える

スポーツの練習では、質と量の両方が重要だと言われています。お笑いも同じで、「多くのネタを見る」という「量」の練習を終えたあとは、「質」を重視した練習をしなくてはなりません。ここで言う質とは「いかにそのネタを逆算できるか?」を指します。そのネタのどこに笑いどころが存在していたのか、ひとつのネタを深掘りして見ていくという作業です。

笑ってしまった箇所はどこだったのか。どんな言葉を、どのようなタイミングで、どのような声色で、どのような顔で言っていたのか。計算された場合もあれば、自然に生まれている場合もあるでしょう。それらを自分なりに解き明かし、何が面白さを作り上げているのか、構成要素をリストアップしていきます。

すべること

「面白い」に精通するためには、その対極にある「面白くない」についても熟知しなければなりません。お笑いを分析するだけで面白くなれるのなら、一般のお笑いマニアでも『M-1グランプリ』で優勝できることになってしまいます。

お笑いには数学のような公式は存在せず、セオリーはあくまでもセオリーです。ある程度は他人から吸収することはできますが、そこからは自分だけのお笑い・自分だけの「面白い」を届けていかなければなりません。その過程で、「すべること」も経験するはずです。

しかし、臆することなくすべりましょう。有名なボクサーが「パンチが上手くなるには、たくさんパンチをもらわないといけない」という名言を残しています。たくさんの人を笑わせるためには、たくさんすべり、何が悪かったのかを知らなくてはならないのです。

自分の特徴・面白さを知る

自分だけの面白さを追求していくためには、自分の「特徴」を把握しておくことが大切です。お笑いは自由度の高い演芸ですが、それでも、その人にあったやり方や、向いている芸風が存在します。

たとえば、声が極端に小さい人であれば、無理に声を張って観客に違和感を覚えさせてしまうよりも、「ぼそぼそと喋っているのに内容はとてもポジティブ」など、自分の個性を活かしたギャップを作ることで、特徴を武器に変えられます。こういった特徴は、自分ひとりでは中々気付けないこともあるので、他人から指摘してもらったり、自分のネタを動画に撮って見てみるなど、第三者の視点を入れることで改善に繋げられます。

自分の特徴を知ることで、自分が目指すべき面白さに一種の指針を立てられるようになります。

面白くなるために実践できること

ここまでは、「面白い」を理解するために必要な考え方・マインドについて触れてきました。では、実際に何をしていけばいいのか。ここからは、面白くなるために実践できることを紹介していきます。

メモを取る

数を見ることは重要ですが、漫然とネタを見ているだけでは面白さを理解することは難しいと言えます。何に対して面白いと感じたのか、どの言葉だったのか、どの場面だったのか、それらを記録していくことで、自分の中に面白さのデータベースが構築されます。

お笑いを見る時には、きちんとメモを取る習慣を身につけましょう。また、プロのお笑い芸人のネタだけではなく、普段生きていて面白かったことなども記録しておくと、インプットとして自分の笑いに反映させることができます。いわゆる「ネタ帳」です。

大喜利をする

大喜利は、英語の勉強における作文のようなもので、日頃のインプットの量とアウトプットの速度、そのふたつが要求されます。咄嗟のひらめきはもちろんですが、日頃から走り慣れていない人がマラソンを完走できないように、普段から「面白さ」に対しての意識を研ぎ澄ませていなければ、大喜利で他人を笑わせられる回答はできません。

インプットは大切ですが、適切な形でアウトプットできなければ勉強している意味がありません。自分の面白さを確かめる意味でも、大喜利は最高のトレーニングと言えます。

場数を踏む

たくさんのお笑いを見て勉強するのと同じように、たくさんの人の笑いどころを知らなければ、多くの人を爆笑させられるネタを作ることはできません。また、自分の特性や癖、どのような面白さが自分に備わっているのかを把握するためにも、しっかりと場数を踏む必要があります。

上述の大喜利はもちろん、他人にネタを見てもらったり、Youtubeに動画をアップロードするなど、プラットフォームは無数にあります。まずは、数をこなしましょう。『M-1グランプリ』のチャンピオンたちは、毎日のように事務所ライブでネタを磨いています。

まとめ

お笑いにおける「面白さ」とは、計算し尽くした先で生まれる偶然に他なりません。他人を心から笑わせるためには、面白いとは何なのかについて、自分なりに真摯に研究を積み重ねていく必要があります。

お笑いTVを観て勉強する。