有吉弘行のコメント力
7月26日に『ぐるナイおもしろ荘夏SP』(日本テレビ系)が放送されていました。小島よしお、オードリー、おかずクラブ、ブルゾンちえみ、ひょっこりはんなど、これまでに数々のスターを発掘してきたこの企画で、今回も生きのいい若手芸人が続々登場してネタを披露していました。優勝したのは空手をテーマにしたリズムネタを演じたクロコップでした。
今回、特に印象的だったのは、ナインティナインの2人と一緒にネタを見守るゲストとして後藤輝基さんと有吉弘行さんが出ていたことっです。後藤さん、有吉さんと言えば、ほかの番組でMCをやっているような超大物です。若手芸人たちが彼らの目にとまれば、一気にスターになれる可能性もある。だからこそ、現場には独特の緊張感があり、それがいい雰囲気を作っていました。
きしたかのというコンビがしっかりした構成のコントを披露した後、コメントを求められて有吉さんはこう言いました。
「いや、なんか、すごいなっていう。ずっと舞台でやっていけるんだろうな、って感じ(笑)」
きしたかのの髙野正成さんは「いやいや、テレビで売れたいんだ俺は!」とすかさず反論していました。このやりとりを見て、うわー、やっぱり有吉さんのコメント力はすごいな、と改めて思ったんですよね。
有吉さんのコメントの裏の意味はもちろん「君たち、テレビ向きではないかも」ということです。しかし、それをそのまま言っても角が立つだけですし、笑いにもならないでしょう。「ずっと舞台でやっていける」という褒め言葉にくるんで、笑いながら本音をぶつけて、笑いを取る。こうやって、テレビでギリギリセーフのラインを狙って鋭いコメントを放つということにかけては、有吉さんの右に出る人はいません。この超絶テクニックがある限り、有吉さんの天下は今後も続くだろうなあ、と思いました。