あみだくじもできない!? 名門アメフト部の悲しき実態
今回お話をうかがったのは、ケイダッシュステージ所属のお笑いコンビ「フレンチぶる」の加瀬部さん。彼が所属していた名門アメフト部の実態とは!?
「僕の通っていた大学は、全国からスポーツしかできないようなやつらが集まってくる大学だったんです。僕もアメフト選手として入学したんですけど、入試は面接だけで、しかも『今朝、何を食べてきましたか?』っていう質問だけだったんです。僕はその質問に対して『朝ごはん』って答えて普通に合格したんです。面接が終わってからほかの受験生たちと話していて、僕が『朝ごはんって答えちゃったよ』って話していたら、まだ面接を受けていないやつが『え、俺、何も食ってきてないや。どうしよう、落ちるかな?』なんて焦り出したんです。そのぐらいの『アホ』の集まりだったんですよ。
でも、アメフト部の上下関係はめちゃくちゃ厳しくて、1年奴隷・2年兵隊・3年王様・4年神様というシステムを叩きこまれるんです。例えば、寮に入ると僕ら1年生が強制的に掃除当番をやらされるんです。掃除の場所ごとに担当が分かれるんですけど、トイレはいちばん汚いから、みんなやりたくないんです。
それで分担を決めかねていたら、2年の先輩が『よし、俺が今からあみだくじを作ってやるから、それに従って分担を決めろ』と言い出したんです。先輩の言うことは絶対なので、『分かりました』と答えて全員で待っていると、その先輩が楽しそうに上に『A、B、C、D』って書いて、下に廊下、階段、トイレなどと書いていって、底を折って隠して、横に線を引いていったんです。それで『じゃあ、加瀬部から選べ』と僕が指名されたんです。それで、その先輩に『じゃあ、僕はAでお願いします』と言ったんです。すると、その先輩はAって書いてあるところの真下の折り目をめくって、『Aの加瀬部は階段だな』と発表したんです。アホすぎて自分で書いた横線の存在を忘れているんですよ。僕らもさすがに、『え、何だ、この状況?』と戸惑ってしまって。そしたらたまたま、その2年の先輩と同じ高校だった1年生が『先輩、それじゃああみだくじの意味ないじゃないですか』と、ちょっと笑いながら突っ込んだんですよ。すると次の瞬間、2年の先輩がその1年生をボコボコにし始めたんです。『同じ高校だからってナメてんじゃねえ!』と言って。
すると、3年の先輩が止めに入ってくれたんです。『ちょっと待て、今のはお前が悪いよ。今度は俺が仕切るから』と言ってくれて。3年生は王様なので、2年の先輩も『すみません』と平謝り。それで、『じゃあ加瀬部、すまんがもう1回選んでくれ』と言われたので、今度もまたAを選んだら、その先輩が『じゃあ、Aの加瀬部、行きまーす!』と、変なリズムをつけながら線をたどり始めたんです。でも、その人もやっぱりアホで、ちゃんと線をたどることさえままならなかったんです。途中からはなぜか上にのぼり始めちゃって、気が付けばAからDに着いてしまった。それで『あれ? Aの加瀬部はD? DはAなのか?』と、ずっとAとDの間をさまよっていたんです。だんだんその先輩もイライラしてきて、そのまま部屋から出て行ってしまいました。結局、分担はじゃんけんで決めました」