芸人が最強である理由
なんだかんだ言っても、今のテレビって、お笑いの人たちが中心で成り立っているじゃないですか。バラエティに限らず、情報番組やワイドショーでもMCはほとんど芸人になってきているし、脇を固める出演者にも芸人の割合が高い。今の時代、なぜ芸人はこんなにも最強の力を持っているんでしょうか。
その答えが、最近読んだ本にサラッと書かれていました。元日本テレビプロデューサーの三枝孝臣さんが書いた『一流のMC力』(東洋経済新報社)という本です。
なぜ芸人は最強なのか?
三枝さんの答えは「PDCAサイクルを実践しているから」というものです。私は「なるほど!」とうなりました。MBAを取得し外資系コンサルタントとして世界を飛び回る意識高い系のお仕事をされているオモプラ読者の皆さんなら当然ご存じかと思いますが、PDCAサイクルとは以下のようなものです。
P:Plan(計画)
D:Do(実行)
C:Check(評価)
A:Act(改善)
ビジネスにおける生産管理はこの4つの過程を繰り返すことで実現されるわけです。自分たちでネタを考えて、それをお客さんの前で披露して、ウケたかウケなかったかの反応を見て、それに修正を加えるという作業を繰り返している芸人は、日常的にこれを実践していることになるんですね。そのことによって自然に成長していくことができるわけです。
この中でも特にポイントとなるのは「C(評価)」にあたる「ウケたかウケなかったかの反応を見る」という部分だろうな、と思いました。お笑いという分野で最も厳しく、最もやり甲斐のある点は、結果がはっきりしているということです。
ウケたか、ウケなかったか、これだけです。
だから、ごまかしようがない。逃げられないわけです。
「今回は笑いこそ起きなかったけど、俺たちの伝えたいメッセージだけは伝わったから良かったよね」などと逃げることは許されないわけです。スベった芸人には逃げ場が与えられません。スベリを全身で受け止め、震えるしかないのです。だから、芸人はとにかくがんばって成長するしかない、という環境に常に身を置くことになるわけです。これは鍛えられますよ。
芸人が最強である秘密は「PPAP」ならぬ「PDCA」にあった、というわけです。
MBAを取得し外資系コンサルタントとして世界を飛び回る意識高い系のお仕事をされているオモプラ読者の皆さんには聞き飽きた話かもしれませんね。失礼しました!
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