ラブコメ!?ディベート!?カモシダせぶん原作の漫画「ディベートショーダウン」ガンガンONLINEで絶賛公開中!!

ラブコメ!?ディベート!?カモシダせぶん原作の漫画「ディベートショーダウン」ガンガンONLINEで絶賛公開中!!

松竹芸能所属のお笑い芸人カモシダせぶん(ウルトラトウフ)原作のラブコメ漫画「ディベートショーダウン」が絶賛公開中!!

ラブコメ!?ディベート!?原作者のカモシダせぶんさんにインタビュー!!

———自分の原作が漫画になってどうでしたか?

カモシダせぶん:最初に書いたものを何度も何度も直して、構想から一年かかって出来上がりました。普段お笑いのネタを書くときに比べるとページ数も多いので大変でした。

 

———どうして「ディベート」を題材にしたのですか?

カモシダせぶん:中学時代にディベート部に所属していて、ディベート甲子園という学生の大会がありまして、関東3位で全国大会に行ってるんです。これちょっと特殊で、ディベート甲子園というのは4人一組でディベートをやるんです。ディベートというと1対1でやるイメージがあると思うんですけど、そうじゃなくてちゃんと役割のパートが分かれていて、それでひとつのテーマについて論じていくスタイルなんです。その経験を活かしたものがいいと思ったので。

 

———なぜディベート部に入部されたんですか?

カモシダせぶん:これがですね、もともとじつはパソコン部だったんです。メンバー全員、僕も含めなんですけど。これがほんとに漫画みたいな話なんですけど、顧問が他校から転任してきた先生に代わって、その先生がものすごいディベートに力を入れていて、でもディベート部がないから、当時僕たちパソコン部はただパソコンで遊んでるだけだったんですよ。プログラミングするとかではなくて。インターネットとか見るだけの部だったので、「お前ら何怠けてんだ、お前らみたいなもんはディベートしろ!!」って言って、急にスポ根的な感じでディベート部になったんです。それで、予選とか大会に出ていくと、普通だったら始めたばかりだから、ボロボロに負けるんだろうなって思っていたんですけど、最初に出た大会で決勝に行って、そして全国大会に行くっていうふうになって、自分は何にもできないからパソコン部にいたんですけど、まさかディベート甲子園で全国大会に行って、決勝で色んな人と闘ってというのはけっこうびっくりする経験だったんです。ディベート部に力を入れている学校は、有名なところだと開成とか本当に頭がいい(偏差値が高い)学校ばっかりなんです。僕は市立の普通の中学校で、全然偏差値とかも良くないんです。「偏差値45ぐらいの学校が偏差値60の学校に勝つ」という、これがけっこう漫画的で面白いところでした。練習試合があって、前年のテーマをつかってディベートするんですが、地方に遠征したりとかもありました。全国の決勝大会で大阪代表と対戦したんですが、めちゃくちゃに負けたんです。そのときの大阪弁が強すぎて、完全に大阪弁恐怖症になっちゃいました。めちゃくちゃ勢いがある感じで、ディベートってもともと決められた時間内で主張しなくちゃいけないので、それはもう物凄い勢いで畳み掛けてくるんです。大阪弁で。

———この漫画のジャンルは?

カモシダせぶん:これはラブコメになりますね。主人公の男女がいるのですが、二人がディベート部に所属していて付き合っているんです!

 

———ディベートについて詳しく教えてください

カモシダせぶん:あるテーマに対して肯定派・否定派で討論をするものです。例えば「日本では朝食は必ずご飯にするべきである」というテーマに対して是か非かみたいなのがあって、肯定派(ご飯じゃなければいけない)がいて、否定派(ご飯以外もいいじゃないか)がいる。そこで討論していくみたいなものです。

ディベート甲子園はそれをさらにチーム制にしていて、①立論②質疑③反駁④第二反駁 と、それぞれのパートに分かれています。

①立論というのはチームの主張を述べる人、と同時に相手から質疑を受ける人です。

②質疑は、立論に対して疑問点があれば聞く、このときに反論はしてはいけないんです。

③反駁は、質疑で聞いた矛盾点に反論していく

④第二反駁は、反論に対して反論することができる

それを聞いた上で審査員がどちらがよかったかを判断し、多数決で決めるというルールです。

肯定・否定も各チーム全員持っているんです。例えば僕のときは、「未成年は携帯電話の使用を固く禁ずる…是か非か」というテーマだったんですが、それに対しては、肯定の立論と、否定の立論、両方持っておきます。これで、当日にじゃんけんで決めるんです。だから、今回の試合は肯定、次の試合は否定かもしれない。両方の意見を自分の中に持っていなくちゃいけないんです。だから完全に個人の主張じゃなくて、このディベートというスポーツのために両方の意見を強く作っておかないといけないんです。

———これは面白いですね。第三者的な目線でものを見る力を養えますね。

カモシダせぶん:そうなんです。これを中学生のときからやるんです。資料作りとかけっこう大変でした。面白かったのは色々な資料を使わなくちゃいけないんですけど、例えば〇〇新聞何月何日号から、「〇〇の統計について」こういうものがあるのですよと。結構いろんな資料はみんな出尽くしちゃっている場合もあったりして、ゴシップ誌から引用することもあったんです。「地震が必ず来る」みたいなのがあって、その時の資料が”裏物ジャパン”みたいなのとかもあるんです。発行されている書籍である以上、資料の価値はあるんです。中学生が読まないような本や雑誌から資料を集める作業も楽しかったです。資料集めからディベートの闘いがはじまっているんです。有名すぎる資料だとカウンターみたいに反論を喰らいやすいっていうのもありました。みんなそれに対して対策してるんで、この資料は出してくるだろうなみたいな読みがあるので、対策を用意しているケースが多いんです。

———今も思い出に残るディベートテーマは?

カモシダせぶん:僕がディベート甲子園に出た2003年のときは、「地方自治体は中学生以上による住民投票制度を制定すべきである」という物凄く硬いテーマだったんです。これを中学生だけで考えなくてはいけなくて、とても大変だったのを覚えています。僕たちチーム一丸となって決勝まで行ったときのテーマなので、思い出深いです。

その前年の2002年のテーマが「未成年に携帯電話の制限をすべきか」でして、その当時は震災が起きたときにどうするのかとか、電波障害(電磁波が人体にあたえる)の影響はどうなのか、とかが議論の中心だったんです。結果的に言うと東日本大震災がそのあと起きて、携帯電話の役割っていうのはすごく重要になったなと思うんです。

もし今、そのテーマでディベートするとしたら、携帯電話が犯罪に悪用されることについてが議論の中心になると思います。今と当時の2002年では同じテーマでディベートしたらだいぶ違ってくると思うんです。ギリギリ我々の世代(1988年生まれ)って、学校に携帯電話を持って来てはいけない世代なんです。でも今は防犯の観点などから学校へ携帯電話を持ってくることをOKにしているところって増えていると思うんです。そこはだいぶ違うところなんじゃないかなと。

 

———今回「ディベートショーダウン」を作るうえで苦労したポイントはありますか?

カモシダせぶん:普段お笑いのネタを書いているんですけど、漫画になるって考えると、また全然違くて、これがどういうふうに絵になるかっていうのを考えて書いていかないといけないんです。だから絵になりやすいボケっていうのは、言葉のボケとは違うから、そこがけっこう大変でした。ディベートっていう競技は何度も時間をかけて議論していくものなので、限られたページ数の中にどこを切ってどこを書けばいいのかっていうのも悩みましたね。今回の読み切りも全部は書ききれていないんです。その中でも選び抜いていい要素を入れて苦心してつくった部分はありますね。

 

———カモシダせぶんさんの胸の中には書きたい、載せたいエピソードがまだまだたくさんあるということですね。

カモシダせぶん:はい。そうなんです。まだまだたくさんあるし、やりたいテーマとかもいっぱいあるんです。その中で、今回削らざるを得ずに無くなったテーマとかもあって、もし、連載になれば使いたい!と思っています。ディベート甲子園のテーマは基本的には物凄い硬いものが多いので、例えば「ペットショップを禁止にすべきである」とかなんですけど、学生の読者向けに「学食でタピオカを出すのは是か非か」とか、恋愛系のテーマとしては「愛の告白は必ずラブレターだけにすべきである」とか、やるのも面白いんじゃないかなと思っています。

 

———ディベート部だったことの人生への影響は?

カモシダせぶん:もともと芸人志望だったのですが、ディベート部に入ったことでたくさんの人の前で話すことに慣れました。そこから高校は演劇部に入ったので経験を積むことが出来ましたね。あとディベート部ですごいよかったのは、口喧嘩とかうまい人ばかりなのかというと実はそうでもなくて、僕とか未だに口喧嘩むちゃくちゃ弱いんです。人と口論したらすぐに泣くし負けるんです。でもそういうやつでも闘うことが出来るんです。闘えるポジションとかがあるんですよディベートって。うまく台本を読むとか、想定されている質疑に答えるとかそういったポジションは口喧嘩が弱くても活躍できるんです。口喧嘩の強いやつは後半のアドリブ性が必要な反駁に起用されるんですね。僕はそうじゃない立論とかに起用されていたんで、そういう人前に出るにしてもそれぞれの適正に合わせて闘える面白さがありましたね。そういったなかで自分のキャラクターとかをわかっていくことが出来ました。この漫画をきっかけにディベート甲子園を知ってほしいし、ぜひ学生にはチャレンジしてほしいですね。口喧嘩や口論が苦手でも、活躍する場はあるので文化的なスポーツとしてぜひやってみてほしいです。すごく面白いんじゃないかなと思います。

 

———おとなになって人間関係を築いていく上でディベート部だったことがプラスになったことってありますか?

カモシダせぶん:よくあります。それは、ディベートって肯定派・否定派っていう真逆の意見を最初に自分でつくるんですよ。結局それって明確な答えがないことが論題・テーマになるわけです。それって、全ての事柄ってほぼ明確な答えなんてないわけで、でも自分の中に「自分はどっちだ」って決めがちじゃないですか、でも実はもう一つの意見もあるだろうって自分の中に常に持っておくことが出来るんです。賛成の意見も反対の意見も両方持っておくことによって、自分と違う意見の人といるときにお喋り出来る。じゃあなんでこう思っているんだろうって興味が湧いてくる。拒否反応が出なくなりましたね。自分の主張と違う人にあっても楽しく過ごせますね。

最近でしたら、僕って乳製品が全然だめだったんですよ。なんですけど、すごいプレゼンのうまいやつがいて、そいつのおすすめのカルボナーラだったら食べてみようって思ってしまって、そうしたら食べられたんです。普通だったら乳製品がだめだったら食べないじゃないですか、でもそのプレゼンで食べてみようってなって、食べたら少し克服できましたね。昔は食べたら蕁麻疹が出るぐらいだったんですけど、食べられました。よりダシの効いた牛乳感の薄いカルボナーラにしてくれて、とても美味しかったです。これもディベートのおかげですね。ディベートに負けたからカルボナーラを食べた。というわけです。

 

———コロナの影響でリアルな人付き合い不足になっている人に、より豊かな人間関係をつくれるワンポイントアドバイスなどありますか?

カモシダせぶん:思ったことに対して議論していくことを楽しんでほしいですね。

ディベートって自分と違う意見があったときに、例えばゲームとか何でもいいんですけど、「このゲームが好き」、「俺はだめだ」、「ああ、そうなんだ」で終わるんじゃなくて、「え、なんでだめなの?」とか「なんでいいの?」って聞くことによってより深い話になっていくんですよ。ただ嫌いって言うんじゃなくて、嫌いな理由を細かく言うんです。そうすると、「ああ、俺もそこは嫌いかもしんない」ってなっていくわけです。共通項が見つかっていくと話が広がってく可能性があるんです。だからすぐに断つんじゃなくて、なんでそうなるのかっていう問いを投げかけてみるんです。議論ていうのは別にケンカをするわけじゃないんです。お互いの意見を聞くことによって「ああ、そんな考え方ををするんだ、あなた面白いね」と、自分との違いを面白く感じれるようにしていったほうが人間関係が豊かに円滑になると思うんですよ。お互いに「この人面白いな」になればすごくいいんじゃないかと思います。今はリアルに会えないからそれを電話とかLINEとかメールとかZOOMとかでやってもいいんじゃないかと思いますね。

———「ディベートショーダウン」をどんな人に読んで欲しいですか?

カモシダせぶん:ラブコメで、しかもガンガンONLINEでやらせてもらうので、学生さんから漫画好きの年配の方にも読んでもらえるような、テーマ的にも全ての年代の人に通じるような内容ですので、それを皆さんがどうとらえてくれるのかなという思いです。キャラクター的にも物凄い魅力的なキャラでワタリガニさんが描いてくださったので、ガンガンって学生ラブコメとか学生コメディみたいな作品もあるので、そういうのが好きな方にもぜひ読んでほしいですね。あと中高生にディベートを、ディベート甲子園を知ってほしいです。

 

———オモプラッタ読者にメッセージをお願いします

カモシダせぶん:この作品、構想から一年かかって出来上がったんですけれど、その間に僕の家が火事になりまして、パソコンとか溶けてデータとかも一回飛んだんです。で、「だめか。。。」って一回思ったんですけど、根性さえあればなんとか出来るんです。出来たんです。根性でもう一回書き直しました。そのときにディベート部でチームメイトだった友人にもう一度聞いたりとかして、あらためて青春とかって、その時はつまんなかったり、大変だったり、辛かったりしても大事にしておけば、全てが宝になるんで、大事にしておくのはいいなと思います。ディベート部でも当時はしんどいときとかもあったので、それも含めて今はいい青春だったなと思っています。僕なんて恋愛とか全然で、彼女とかいなかったけど、そのときの経験とかがそのままこの読み切りにがっつり入っているので、ぜひ読んでほしいですね。

 

———火事がものすごく珍しい火災だったと聞いたのですが

カモシダせぶん:収斂火災です。鏡が原因なんです。鏡に反射した光が一点に集中して加熱してしまい、火災になってしまったんです。ほんとに珍しい火災で、冬に多いんですね。「冬に多い火事なんで気をつけてください」ってことなんですけど、僕が調べたデータだと、東京都で過去5年で12月に起きた収斂火災は2件しか無いんです。多くてその数なんです。これはとんでもない確率に当たってしまったなと。たまたま窓際に置いていた鏡に日光があたってしまったんです。電気代を節約してカーテンを開けっぱなしで過ごしているのも影響しましたね。今年の冬は、皆さんにも気をつけてほしいです。

 

ガンガンONLINEで絶賛公開中!!

ガンガンONLINE『ディベートショーダウン』 https://www.ganganonline.com/contents/debate/

ウルトラトウフ  https://www.shochikugeino.co.jp/talents/ultratoufu/

カモシダせぶん ブログ「カモシダせぶんの、日々の文」 https://ameblo.jp/kamoshida7/

カモシダせぶん Twitter @kamo_kokuchi