【独占インタビュー】我善導をおもしろがる会 vol.1 「カスとスカ、おまけにクズ」 初主演『我善導』&作・演出『山崎洋平』にインタビュー!!

【独占インタビュー】我善導をおもしろがる会 vol.1 「カスとスカ、おまけにクズ」 初主演『我善導』&作・演出『山崎洋平』にインタビュー!!

初主演『我善導』&作・演出『山崎洋平』

独占インタビュー!!

 

ワハハ本舗主宰の喰始氏が

「我善導の才能を世間は甘くみている。 善人、悪人、変人、詐欺師、ストーカー、探偵、牧師、 女装マニア、ホームレス、政治家、妖怪、宇宙人…どんな役をやらせても彼は面白い。「我善導をおもしろがる会」とは、役者・コメディアンという枠を超えた彼の才能を再確認し、応援する舞台の事です。第1回は存在感のある女優3人をゲストに迎え、我善導がカスに、スカに、クズにチャレンジします。男と女のドラマは恋愛だけ、とは限らない。どんな物語になるのか、乞う ご期待!です。」

と、大きな期待をよせる我善導の初主演舞台公演『我善導をおもしろがる会 vol.1 「カスとスカ、おまけにクズ」

いったいどんな舞台になるのか!?まったく想像が出来ないのである。柔らかな風が心地よい小春日和に、人生初主演舞台を2ヶ月後に控える我善導と新進気鋭の演出家山崎洋平にインタビューを敢行した。

 

 

 

———早速なんですけれども、この「カスとスカ、おまけにクズ」というこタイトルがついているのですが、なぜこのタイトルになったんでしょうか?

我:これはプロデューサーの喰さんが内容はちょっと置いといて、「なんだこれ?って思うようなタイトルがいいね」っておっしゃいまして。我善導がいろんな役を演じるという部分で、「カス」だったり、「スカ」だったり、「クズ」だったりという役を演じる。まずはタイトルだけでもインパクトのあるものにしようってことになりまして、喰さんが言った一言に僕らがもう「あっ、それでお願いします!!」となりました。

山崎:そうですね。なんかこう、「いい人」を演るよりもやっぱりこう「ダメな人」をやったほうがきっと面白いだろうな、というのはなんとなくあったんですけれど、割となんかこのタイトル、語呂も良かった感じがしたんですよね。

我:そうそう。

山崎:だから打ち合わせの時に「あっ、いいじゃないですか!」みたくなって、まあこれ以上は話し合っても大変なことになるだろうなっていうのもあって、割とパッと直感的にこれいいんじゃないですかって。

我:喰さんの完全に思いつきだと思います。それが僕らもピンときたんで、「あっ、それで行きましょう」ってなったんです。

 

———チラシを見た時に「どんな劇なのだろう?」という興味が凄く湧きました。どのような劇になるのか?お二人の言葉で聞かせてもらえますか。

我:そうですね。とにかく喰さんが女性との二人芝居がメインになるので、お決まりの恋愛はとにかくヤダ、って言う。男と女が集まっているのに、恋愛にならないっていうところを目指したいっていう話になっていて、それを踏まえてじゃあ、ワハハ本舗なので、喰始なので、普通の設定というのはありえないんですけれど、喰さんがくださったアイデアを元に山崎君に書いてもらう脚本が楽しみです。

山崎:何度か喰さんとお会いして、「こういうアイデアを考えたんですけれど?」っていうのを、お伝えして、「だったらこれをもうちょっとこうすると、もっと膨らむんじゃない?」とかっていう、作戦会議みたいな事は今ちょうどやっている最中です。で、まあやっぱりこう、凄いトリッキーなというか、やっぱり男と女が二人集うと、やっぱ恋愛に行くんじゃなかろうか?と、もしかしたらチラシをご覧になった方とかは、思うかもしれないですけれども、本当にこのコピーの通りで、それだけでは限らないですよ〜!!みたいな。だから果たして、じゃあ男女集って恋愛を抜いた時に、はてさて何が起こるんだろうか?というところで、ちょっとこう楽しみにしていただきたいなと。今の所は思うんですけれど、これから脚本を書くので、やっぱ結局恋愛になるかもしれないです(笑)。ちょっとまだ未知数ですけれども。あとは我さんが、人生で初主演ということで、それはまた一つテーマに、その「主役」「主人公」みたいなところとは、なんぞや?みたいなところもちょっと触れられれば、面白いかなあと。今、色々ノートに書き込みながら、「どんなことをしたら、お客さんに楽しんでいただけるか」っていう事を今、まさに考えている最中です。

 

 

———女優さんが3人いらっしゃって、お三方それぞれと我さんが二人芝居をされるのですよね。3人の女優さんに対する現時点で持たれているイメージはありますでしょうか?それぞれどんなイメージの女優さんなんでしょうか?

我:まず、この薩川さんとは一度共演させてもらったんですけれど、凄く日常的な役が合うと言いますか、なんかほんとその辺に居そうな、ちょっとあの東京から外れたところの、ほんとこうヤンキーな感じが、すごく僕は、素敵だなあと思っていて、凄くリアルなお芝居をされる女優さんのイメージで魅力的だなと。

逆に緒月遠麻さんは、元宝塚のトップにいらした方で、ものすごく華やかで、かっこよくて、ほんとエンターテイナーていう部分を感じます。

この二人の対比も面白い部分かなって思います。

山田さんは、はじめましてで、山崎君のところの劇団(江古田のガールズ)の女優さんなんですけれど、でもあの〜すごく楽しみに僕はしています。山田さんはどんな方なんですか?

山崎:山田は、同じ劇団の人間なんですけれども、今年28か29になる年の女で、ちょっとねえ、あの喋りが、歌をやっている人だったので、凄くこう音をとれる人なんですよ。だから「ちょっとハモりたいんだけれど」とか言った時に、譜面書いてきたりするんですけど、なんか話し声は音痴っていうか、もうちょっと抑揚を効かせたいのに、なんか高音なだけで、ニュアンスが伴わないなぁとか思ったりするきらいのある人物で、日常的にも、芝居している時にも、集中してるけど、でもね、なんか両方、どっちともなんか、ちょっと鈍臭さが拭えない人物だな、と思うんですけど。もうそれを長所だと思うようにしてるんですけども、やっぱり、まだたまに、稽古中とかにカチンとくることがありますね(笑)。「どんくさいな!もっと機敏に動いてくださいよ」とかって、言うんですけれども。

我:でも、バランス取れてますよね

山崎:そうですね。だから逆にこう、二人芝居っていう経験が、どうやら彼女は無いみたいなんで、我さんっていう先輩と一緒にこう創り上げていく過程の中でちょっとでも成長してもらえたらなと。うちの劇団員なんで、凄い親心がありますね、今。

緒月遠麻さんは、5年ぐらい前に僕が作・演出で、緒月さん主演で、一緒にやっていたんですけども、やっぱり凄い華やかな方だなって。稽古場に来る時から、もうオーラがぷ〜んと、匂い立つような方で、だから勿論、そのとても頼もしいと言うとなんか凄い烏滸がましいんですけれども、凄く格好いい女性だなっていうところを、今回は、逆にそんな緒月さんなのに!という事はやってみたいなって気持ちは凄くありますね。

薩川さんに関しては、僕は今回初めてご一緒するので、このチラシの写真を撮ったときに初めてお話しさせていただいたんですけれども、なんかちょっと、お声がハスキー?しゃがれていて。

我:そうですね、ハスキーな。

山崎:僕、声を凄く好きになるタイプなんですよ。素敵な面白い声をされているんだな〜っていうふうに、思った印象があるのと、あと、結構髪の毛の量が多い方ですよ。

我:はっはっはっ 毛量ね〜。

山崎:それはやっぱ、あああ~っていう。

我:ものすごく多いですね。なんかこう、頭の前のほうで髪をしばるのが似合うんですよ、その辺の姐ちゃんみたいな、サンダル履いて、なんか公園行くみたいな格好が凄く似合うんですよ。

山崎:なるほど、なるほど。緒月さんを生活感を無いとするならば、薩川さんは生活感という武器がもしかしたらあるのかもしれないですよね。妙なリアリティーというか。

我:割と本番に入るとギアが上がる。んで、けっこう全然普段は見せなかった顔するね、みたいな。なんかそういうところに魅力がある。

山崎:チラシの写真とかでは僕は一方的にお顔を見ていたんですけど、ぜんぜん違う、今回のチラシのこういう明るい顔をしていない写真を見たんですけれど、別人みたいで、だから凄い変わるのかな?カメレオン的な方なのかな?って色々勝手に妄想は膨らましていましたね。

 

———そうですか。楽しみですね。仕掛人でもありプロデューサーでもある喰さんから、『どんな役をやらせても彼は面白い』と、期待が大きいと思うのですが、このことについて我さんはどのように感じていますか?

我:いや物凄くハードルが上がったなと思いますが、凄く嬉しいですね。やっぱりワハハ本舗主宰の方でもありますし。僕がワハハに入った時には、3人組でお笑いをやっていたんですれけど、その時に喰さんが、「僕はこのユニットのファン第一号になりますよ」って言ってくださった所から、僕らは始まって、そのまま、僕は、喰さんから、まあ厳しい言葉も含めて、色んな意見を頂いている中で、今回、「やりたいです」って話をして、「ああどうぞやりなさい」って言われて、「ただ、僕も関わらせて」と喰さんが言ってきてくださって、その思いが僕は凄く嬉しいですね。だから応えなきゃいけないなって、思いました。チラシとかにも「我くんの裸は入れてね」っていうのは喰さんの要望だったりするんです。

 

———そうだったんですね、

我:このチラシの裏にもちっちゃーく僕の裸があるんですよ。「こういうのだけはやって」っていう。脚本の部分には「この設定は必ず入れて」とか、そういうのは喰さんの中で、我善導にこんな事をやらせたら面白いなっていう ものを絶対思ってくれると思うので、楽しみですね。

 

 

———山崎さんにうかがいます。今回、我善導さんと女優さんの二人芝居×3というシチュエーションで、こういう設定というのはなかなか珍しいですよね。先程ノートにメモなどをされているとおっしゃっていたんですけれども、我さんの魅力っていうのは、どのように感じていらっしゃいますか?

山崎:僕は本当にワハハの舞台が好きで、お客さんの一人として我さんを観ていて、やっぱり声が僕はまずピンと来る。なんかいい声をしているなというところだったり、こう、華やかさっていうか、やっぱり我さんは我さんの華と言うものがあって、いいなあって思って観ていて。で、何て言うんですかね素敵な俳優さんの一つ、僕の個人的な条件としては、こう観ていると「あの人にこんな事をやってもらったら面白いんじゃないか」とか、なんか膨らんでくるというか、そういうのを勝手に思っていて。で、この前に、僕が作・演出する舞台で、初めて一緒に作品づくりという機会を得て、その時に実際に稽古していて、もちろん本番もですけど、やっぱりいい声をされているんだなあとか、なんかこう、なんて言うんですかね、悪い言葉じゃなくて、いい意味でキャラクターとして凄い面白いものをお持ちなんだな、っていうのを再確認したと。ただなんか、やっぱり日常はなんかここまで我さんって暗い人なんだなって。

我:ワハハハハ

山崎:そのギャップとかも面白いなって。スゴい明るくてひょうきんなイメージを勝手に持っていたんですけれども、御本人とこうお会いすると、凄くあっそんな事なくて、なんか割とこう暗い感じの雰囲気をお持ちの方なんだなと。それもなんかある意味、心地よく騙されてたじゃないですけど、「あああ〜俳優さんなんだな、演じる方なんだな」みたいな、そういう、アハ体験みたいな、こともしていて。で、今回こうやって、二人芝居っていうことなので、やっぱりねえ、こう、いろんな選択肢が浮かぶ中で、どれを取ると、一番いいんだろうとか、一回目だ、第一回だ、とかいうこととか、いろんなことが、プレッシャーというか、う〜んそこが今、ちょっと苦しんでいるところなんですよね。どうしたら一番その、僕が面白いと思った我さんをお客さんと共有できるだろうか?っていう。

 

———あの今、華があるとおっしゃいました。その華っていうのは、花に例えたらどんな花でしょうか?

山崎:勝手に向日葵じゃないですけど、夏生まれとか、あれ実際はどうなんでしたっけ?夏生まれですか?

我:いや秋、秋生まれ。

山崎:ああ〜秋か。それがもう失礼ですね。勝手に夏とか、南国のご出身なんじゃないかとか、思ってるけど、実際は秋生まれで、愛知のご出身で、なんだろうな、なんていうか陽気なやっぱりサンバとかラテンを嗜んでるとか、やっぱそんなある勝手なイメージがあって、そのなかでそうじゃない本当の我さんがいて、っていう。

我:そんな陽気なイメージを持ってくれていたんだね。

山崎:そうそうそう。そうなんですよ。明るい。ある意味、こうパッと、なんか稽古場なり飲み会なり、なんか我さんが来ると、きっと明るくなるんだろうな、とかって、思ってたけど、そんなことは無くって。

我:無いですよそれは。

山崎:ほんとに暗い影を引きずって、

我:わははは!

山崎:いらっしゃるなって、感じがまた面白かったですね。イメージと違ったって。

我:ありがたいですね。

山崎:でも本当にあれですね、勝手なイメージでいうと向日葵のような、夏のパッと咲く花のイメージですかね。お花で言うと。

 

 

———そうなんですね。今度は逆にですね、我さんから見た山崎さんの演出家・脚本家としての魅力、イメージを。昨年、ご一緒に舞台をやられていたということで、そういったことも含めて、魅力や一緒にやってきた思い、教えていただけますか?

我:はい。まだ全然、作品を観たとか、関わったことが無い時のイメージは、やっぱりすごくいつもニコニコしていらして、柔らかいイメージだったんですけれど、作品とか、初めて演出を受けたりして、その時に、あの節々にちょっと、やっぱ毒があって、それがすごく僕は面白くて、もっと毒を出せばいいのにとか思いながら、見ていたりして。で割と演出とかも、その演出家さんによって、あの色々細かく言う方とか、言わない方とかいらっしゃると思うんですけれど、結構言ってくれるんですよね。割と。まだこのシーンやるのか?って、しつこかったりして、それは凄く、でも作品へのこだわりっていう部分というのを感じて、僕はすごく好感でした。で、今回一緒にやるってなって、ワハハに山崎君が入ってきたというのもあるんですけど、じゃあ脚本と演出は山崎君にお願いを絶対にしたいっていう話をスタッフとしていたんです。

 

———我さんご自身で、ご自身の魅力みたいなことを話していただけますか?ご自分で感じられている強みと言うような部分を教えていただけますか?

我:僕はやっぱり喰さんの、このコメントにもあるんですけど、『善人、悪人、詐欺師、ストーカー、探偵、牧師、女装マニア、ホームレス、政治家、妖怪、宇宙人、どんな役をやらせても彼は面白い』と、まあ僕自身も自分のことを割と器用なタイプの人間だとは思っているんですけど、それゆえに器用貧乏、というか、その中途半端になりやすいので、そこをこう、こういう機会を得て、器用さに磨きをかけていきたいなあっていう。「何やらせても出来る」から、「何をやらせても面白いね」とか、「素晴らしいね」とか、そう言ってもらえるように磨きをかけていきたいなという思いはありますね。

 

 

———山崎さん、ワハハ本舗に入られた経緯を教えていただけますか?

山崎:僕は、ワハハ本舗の舞台を中学生の時に初めて観て、そこで、もう凄い感銘を受けて、以来、梅垣さんだったりをこう追っかけたり、もちろん全体公演も観ていました。そのうちに、色んな所で「ワハハ本舗が好きだ」、「好きだ」って言っていて。僕は日大の演劇学科出身なんですけれども、まあそういったところだったり、当時のバイト先だったりで、もう「ワハハ本舗が好きだ!」「こういうのが面白いと思うんだよね」とか言っていたんです。そうしたら、たまたま「梅垣さんが演出助手を探している」っていう話が舞い込んできて。「ああ、やります!!」みたいな事が12年とかそれぐらい前のことですね。大学を卒業した位で、初めてこの渋谷のワハハ本舗の事務所にやって来て以来、「もし台本書いているんだったら、台本書く手伝いしてみない?」って喰さんに声をかけていただいたりとか。「こういう役があるから、ちょっと出てみなよ」とか声かけていただいたりして。ずーっと自分の劇団の公演を観に来てくださったりみたいなことがずっと関係性として途切れずに続いていまして。でまあ、僕も今30超えて、色々そのお金の話だったり、なんかそういうことで悔しい思いを何回かしてきたんですよね。なんか変な悪い会社に引っかかって、頑張ってんのに、これっぽっちしかくれないとか、後出しジャンケンで。っていうのもちょっとお酒飲みに行った時とかに、「こんなことがありましたよ」とか、っていうのを人生相談みたいなことをしてて、最終的にこう入れていただいたみたいな。ずーっと、こう、そう、不思議な気持ちですよね。舞台にいるのを客席から観ていた我さんと、こうやって認識してもらって、今、お話を一緒に創ろうとしているとか、喰さんとこうやって、喋って、こんな偉そうにチラシに名前を一緒に載せてもらっていただいてとかっていう日が来るんだな、っていうのはすごい不思議になる時がありますね。

我:僕は真逆で、まったくワハハに興味がなかった人間で。

山崎:そうだったんですか!?

我:たまたまその三人組で違う事務所にいて、ワハハの当時やっていたお笑いライブのネタ見せにたまたま来て、気に入ってもらえて、で何回か出ているうちに喰さんに「うちに来なさい」って言ってもらって、それでじゃあ、その当時の事務所よりはこっちのほうが仕事がありそうだなって、それだけで来たので、そうですね、不思議な、まったく興味がなかった人間と大好きだった人間と。

山崎:不純と純粋。

我:わっはははは!本当そうですね。

 

 

———お笑いをされていたときは、我さんご自身でネタを書いたりされていたんですか?

我:なんかドリフのコントみたいなことをやっていて、ツッコミのやつがメガホン持って張っていくみたいなことをやっていて、一つの設定を決めて、みんなで、相撲だったら相撲って決めて、みんなでボケを出し合う、出し合って、それをまとめるっていうのは僕がしてましたけど、そのアイデア出しとか、ボケを考えるのはみんなでやっていましたね。

 

———芸人をやっていたから、面白く演じるっていうとか、賑やかに演じるとかそういうことがお好きだったんでしょうか?

我:そうですね。もともと役者をやりたくて東京に来て。別の仲間と劇団作ったりとか色々してたんですけど、その中でたまたまその前やっていたお笑いのユニットの3人で流れでお笑いをやることになったので。やっぱり漫才よりはコント、もうコントのほうに。お芝居も大好きだったので、お芝居もやりながら、別の劇団に客演させてもらったりとかであったり、やっぱり演じるというのが好きでしたね。

 

———山崎さん、産みの苦しみでいっぱいだと思うのですが、今の段階でお話できる範囲で構いませんので、ずばりこの舞台の見どころってなんでしょうか?

山崎:見どころは、やっぱりもちろんその何て言うんですかね、我さんを筆頭に俳優さんをどんだけこう魅力的にするかみたいなところが僕の仕事ですから。そういった意味で、これがでもなあ、自分で自分の首を締めるようで嫌なんですけども。観終わったあとに、「我さん面白かった」とか、緒月さん、薩川さん、山田も含めて、「素敵な女優さんいるんだなあ」とか、もちろんご存知の方は、それを再確認していただきたいし、初めてその俳優さんを観る人には、名前を覚えていただくとか、なんかね、とにかく僕の仕事は俳優さんをどんだけ魅力的に、次の仕事なりに繋げるか、というのが僕の仕事だと思っています。そういったことで言うと、ある種俳優さんのいろんな技術だったり、お芝居の面白い部分だったりを堪能できるようにしたいなあとは思うんです。けれども、たいていでもねえ、僕こうプレッシャーに弱いので、なんかうまくいかないこともあるのかな?

我:あははは。

山崎:ちょっとその不発に終わったら嫌だな〜っていうことはあるんですけども。なんかやっぱすべてそれが現状やれたらいいなというのはあるんです。あとは、会話劇なので、ある意味、丁々発止のやり取りというか。ともすれば一曲の音楽を聴くかのような、ちょっとこう会話の妙みたいなのは、楽しんでいただけたらいいな。そういうセリフを書きたいなと思っていますね。ボソボソなんか変に間があいて、なんか退屈になることよりはもうちょっと、二人がもう速射砲のように「パッパッパ」と小気味良く会話をしていく、みたいなセリフを書きたいな。と今、思っていますね。テンポよく。

———ありがとうございます。山崎さんの今の思いがとてもよく伝わってきました。

 

 

———我さんにお伺いしたいんですけれども、この舞台にかける意気込み、教えていただけますか?

我:はい。芸能生活が今年で20年。という部分もあったり、僕自身、わりと主役、たとえば知り合いのイケメン俳優とか、色んな人がこうTwitterとかで、「今回主役をやらせていただきます!!」とか呟いているのを見て、結構「けっ」とか思っていたんです。「主役だけで舞台やってるわけじゃないんだよ」って。まあでも浮かれる気持ちもわかるなっていう。僕としてはやっぱり改めて、20年、お笑いも含めて、役者もやってきて、色んな所で、脇で、脇役で出るっていうことをずーっとやってきて、それで初めて主役をやるってなって、やっぱり今の自分の役者としての現状に、もちろん満足もしていないので、今一度やっぱり、今年で40歳だけれども、まだまだこれからっていう部分で、勝負を懸けるという、人生の勝負を懸けるっていう部分で今回の舞台をやる。世の中の人に「我善導」という人間がいるんだ!こんな役者がいるんだ!っていうことを、知ってもらう一つのきっかけとして、役者として人生かけて、今までやってきたもの、プラス、面白がる会なので、プロデューサーの喰さんだったり、脚本演出の山崎君だったり、3人の女優さんたちにも面白がってもらって、我善導がこんなことやったら面白いんじゃないか?って事を、僕はそれを、関わってくれる方々を信じて、やって、それでお客さんにとにかく面白がってもらえるように頑張ります。

 

———今回、Vol.1ということですから、これがVol2・Vol3・Vol4・Vol5と続いていくと思います。その第1回目というのは、0から1にする作業なんだと思います。それがもの凄く大変だろうなと思うんですけれども、だけどその大変さが、おそらく今、これから始まるんでしょうけど、凄く楽しいんじゃないかなとも思います。今お二人は苦しい部分もあるとは思うんですけれども、充実されているんじゃないかなと。なにも無かったところから、それがさきに続いていく、まだそこまでは考えられてはいないとは思うのですが、「0から1に」そのことに関しては何かお思いになられることはありますでしょうか?

我:そうですね、僕としては、企画の段階から、この人を誘いたいとか、一緒にやってみたいとか、ゼロから関わって来ているので、それが少しづつカタチになってきて、楽しいんですけど。でも、今は多分、山崎君が脚本という部分で、苦しんでおられる。稽古が始まったら多分、僕が次は苦しむ番だなっていう。で、もう本当に、あの山崎君には思ったことを全部言ってもらいたいし、演出っていう部分で無理難題も押し付けて欲しいし、楽しさ反面、稽古が始まるのに戦々恐々とはしてるいんですけど。でもまあ千秋楽を迎えた時に、やっぱりお客さんが楽しんでくれたら、また次にもつながるっていう部分で、「楽しんで、足掻いて」やっていきたいなと。

———山崎さんはいかがでしょうか?

山崎:これはだから正直なことを申し上げると、やっぱりはやく6月14日になってほしい。

我:わはははは!

山崎:やっぱりそれはあるんですよね。本当に無事に終わって良かったって、僕なんかほんとなんの実績も無いですから。

我:いやいやいやいや。

山崎:初日の幕が開いて、僕を信頼してもらえるかどうかがある意味決まったりするわけですよね。だから、その信頼をしてもらうためにもやっぱり「いい本を書かなきゃ」とか、やっぱり台本のことが凄いあります。僕、最近白髪が出てきたんですけど、こんなこと無かったんですよね。なんかそれがヤダなあと思いながらも、でも、やっぱり一回目ですから、これがそのVol2 ・Vol3 とやっぱり続いていくからこうやって番号がふっているわけですけれども、やっぱりこの、「我さんを面白がる会」というものに泥を塗らないように、僕は先発ピッチャーとして、いい球を投げないとな、って。それはプレッシャーが凄いあって、一回目は肝心だよなって。本が上がっちゃえば、あとは稽古は多分お会いした限りだと、とくにね、なんかめんどくさい人ってわけじゃないから。

我:わはははは!

山崎:稽古はきっと楽しい気がするんですね。なんか、凄い、何だこいつ?みたいな人は全然いらっしゃらないから、稽古でどんどんこう膨らませていく、その叩き台である台本をいかにこの4人の俳優さんに「あっこれはなんか稽古したら面白くなりそうだね」ってこう、「何だこの台本?」って思わせたらそれはもうその時点で不味いですから、でもそれが今ちょっと、ほんとプレッシャーに弱いんですよね。

我:ははははは

山崎:だからホントちょっと、あれしないために我さんと今後も、もうちょっとやり取りをして、喰さんともまたお話して、相談して、いい台本、いい本を書ければなと、いう感じですかね。やっぱこれは辛いですから、早く6月14日を気持ちよく迎えたいですね。「良かったねー」って言えるみたいに。

我:そうそうそうそう。

 

———役者さんが我さん、緒月遠麻さん、薩川朋子さん、山田瑞紀さん。脚本と演出が山崎さん、この5人で舞台を創っていく中で鍵となるものってなにかあるのでしょうか?いいものを創っていくために、ここに力を入れているとか、こんなことに気をつけているとかってありますか?

我:なんでしょう。まあその、意見を言うというか、例えばその他の舞台に出た時だと、演出家が「こうして」って、言われたら、「えっ、それどういう事?」って思いながらも僕は割と「わかりました〜」ってやるんですけど、今回の舞台に関しては、やっぱり自分の責任があるし、やっぱり凄く変な話ですけど、なんか微妙だったねってなった時に「ああ〜、山崎君の脚本がね〜」って、人のせいには絶対したくないので。まあ大人ですから「てめえ!このやろう」とは僕と山崎君はならないとは思うんですけど、でもやっぱりあの自分も「責任を持って闘う」というか、「一緒に創る」っていう部分で、大人なんで言葉は選んだりはするでしょうけど、自分の意見を伝えて、ディスカッションして、みんなで一つの舞台を創るっていう場でありたいなっていう思いはありますね。とくに女優さんは言いづらかったりするんでしょうけど、まあ女優さんがなんかこう、微妙な顔をしていたら、僕が例えば意見を聞いて、それを山崎君に伝えて、じゃあそれを解消するにはどうしたらいいか?みたいなところの部分を、やっていけたらなと思いますね。どうでしょう?

山崎:僕もどうコミュニケーションを取っていくか。だから、ほんとに今なかなかこういうご時世なんで、叶わないんですけれども、やっぱりこう無くなってはじめて気づいたのはお酒を飲む環境がこれほど大事だとは、っていうのが、今、痛切に感じていて。やっぱりその、稽古場っていう場所から離れて、ちょっとざっくばらんに話そうみたいな場所があったけれども、なかなか今それが作れないから、大変なんですけれども。でもまあ、今回は二人芝居っていうことで稽古場は主に、俳優さんお二人と僕がいて、三人ていうことだから、うまくそこらへんのコミュニケーションは凄く、まだ取りやすい感じだから、僕もどうぞ意見があれば言葉を選んで。

我:言葉を選んで。

山崎:言葉を選んで言ってください。僕ももちろん言葉を選んで建設的なやり取りをしたいんですよ。というものをこう示すというか、伝えていかないと。なんかやっぱり、「俺の言うことに従っていればいいんだ」みたいな、「NOの意見など言ってくるな」みたいな態度をすると

我:わはははは

山崎:やっぱり「なんだよなあ、面白くねえのに絶対逆らってもしょうがないしな」ってなると、豊かなものにならないから、僕はちょっとズボンのチャックでも開けて、演出したほうがちょうどいいんじゃないかなとか

我:あはははは

山崎:あんなやつだからちょっと面白くないんだよ。とかそういうコミュニケーションがすごい大事な気はするんですよね。だからほんとに揉めずに、千秋楽迎えられたらな。だからあれなんですよね、お客さんには、もちろん楽しんでいただきたいっていうのはあるんだけれども、お客さんを考えてもなかなか難しかったりするんですよね。だからまずは本当に、僕と我さんだったり、女優さん3人だったり、スタッフの皆さんだったりが、これ面白いねって思えるものをまず稽古場で創って、でももしかしたらお客さんを考えるのは三番目ぐらいだったりするのかもしれないっていうのが正直な気持ちですね。まず我々が、面白く思わなきゃ、みたいなのはありますね。

 

 

———ありがとうございます。オモプラッタというネットのメディアにこのインタビュー記事が出るんですけれども、主にお笑いファンの方が見られているのですが、その方たちに向けて、メッセージをいただけますでしょうか?

我:そうですね、演劇・お芝居ってなるとお笑いと比べて、ハードルが上がってしまうかもしれないんですけれど、我善導だったり、ワハハ本舗だったり、喰始、山崎君も含めて考えると、笑いがないって言うことはありえないので、確実に笑いが中心にある舞台になると思うので、ご興味があったらぜひ、観に来てください。

———山崎さんいかがでしょうか?

山崎:笑っていただきたい、みたいなところから出発したんですけれども、なかなかこれほどまでにお客さんに笑ってもらうというのは難しい事なんだというのがわかって、以来、僕はコメディー書けないんだとかって思って、もう悲劇を書こうとしているんですけど。

我:ははははは

山崎:まあでも悲劇も時には滑稽に映ったりするので、そういった意味では爆笑じゃなくて、ちょっと可笑しみみたいなね、そんなまたちょっとこう静かな笑いって言うと、小難しそうですけど、可笑しさ満点の台本を書くので、そんなに敷居の高い感じに思わないで居てもらいたくて、こういったカタチも、面白いなっていうふうに感じて欲しいですね。お時間があればぜひご覧になってくださいということで。

 

———今日は貴重なお話を沢山聞かせていただきました。ありがとうございました。

山崎・我:こちらこそありがとうございました。

 

このインタビューは2021年4月16日に行われました。

我善導をおもしろがる会vol.1「カスとスカ、おまけにクズ」

【出演】我善導(WAHAHA本舗)/緒月遠麻/薩川朋子(張ち切れパンダ)/山田瑞紀(江古田のガールズ)

【脚本と演出】山崎洋平(江古田のガールズ)

【プロデューサー】喰始(WAHAHA本舗)

【日時】

6月10日(木)19:00~(○)

6月11日(金)14:00~(▲)/19:00~(☆)

6月12日(土)13:30~(☆)/18:00~(○)

6月13日(日)13:30~(▲)

※開場は開演の30分前

※本公演は3つの作品(作品A・B・C)で構成しており、それぞれ我善導と一人の女優の二人で演じます。公演回ごとの構成は以下のとおり

(○)の公演:作品A→緒月遠麻/作品B →薩川朋子/作品C →山田瑞紀 (▲)の公演:作品A→薩川朋子/作品B →山田瑞紀/作品C →緒月遠麻 (☆)の公演:作品A→山田瑞紀/作品B →緒月遠麻/作品C →薩川朋子

【会場】小劇場B1(世田谷区北沢2-8-18 北沢タウンホール B1)

【料金】全席指定席 前売4,000円/当日4,500円

【チケット】4月10日(土)一般発売開始 各種プレイガイドほか

【問い合わせ】ワハハ本舗 03-3406-4472(平日11:00~19:00):http://wahahahompo.co.jp/