U字工事 おなじみの「ごめんねごめんねー」がうまれた飾らない実直な人柄に迫る

U字工事 おなじみの「ごめんねごめんねー」がうまれた飾らない実直な人柄に迫る

人間味あふれる栃木弁漫才師

福田薫と益子卓郎の2人から成るU字工事は、栃木なまりを生かした漫才で知られるコンビである。2008年の『M-1グランプリ』で決勝進出を果たしてから、全国にその名が知られるようになった。

『M-1』で決勝に出る前から、一度聞いたら忘れられない栃木弁丸出しの独特の漫才スタイルを売りにしていた彼らは、東京のお笑いライブシーンではそれなりに名の知られた存在だった。だが、自分たちの代名詞になるような強力な漫才ネタを作ることができず、テレビの世界ではなかなか芽が出ない日々が続いていた。

栃木ネタで『M-1』決勝進出

2008年、そんな彼らにようやく転機が訪れた。自分たちが生まれ育った故郷である栃木をネタにして、茨城などの他の県と比較して語っていく、という形の漫才を新たに開発したのだ。

U字工事の2人にとって、自分たちの最大のセールスポイントとは、栃木県出身であり、栃木を心から愛している、ということだった。その原点に帰って、全編栃木ネタで押し通す漫才を作ったことで、彼らに新たな希望が開かれた。栃木に対する愛情と劣等感が入り交じったリアルな感情を率直に表現した漫才によって、彼らはこの年に初めて『M-1』決勝進出を果たした。

誰からも愛される人柄の魅力

U字工事という芸人の最大の魅力は、彼らの飾らない実直な人柄である。彼らと一緒に仕事をしたことのある人間は皆、口を揃えて、彼らがいかに心優しく感じのいい人間であるかを語っている。

彼らは、単にテレビに出るためのネタとして栃木愛を売りにしているわけではない。本気で心の底から地元である栃木を愛していて、それを素直にアピールしているだけなのだ。

たとえば、サンドウィッチマンの2人も、U字工事と共に苦労を重ねてきた戦友である。無名時代から合同でライブを行ったりしていた。サンドウィッチマンの伊達みきおは、U字工事の『M-1』決勝進出の知らせを聞いたとき、まるで自分のことのように胸が熱くなったという。積み重ねてきた友情によって、彼らの心はひとつになっている。

裏表がなく、まっすぐで正直。屈託なく生きて、世話になった人には素直に感謝の言葉を述べる。人間として当たり前のことではあるが、それがきちんとできているからこそ、彼らはブレイクのきっかけをつかむことができたのだ。

「ごめんねごめんねー」というキラーフレーズ

益子が漫才の中で使っていた「ごめんねごめんねー」という決めフレーズも、今ではすっかりおなじみになった。どこか愛嬌のある益子が、開き直って大声で謝っている姿は、かわいらしくて憎めないところがある。まさに、この人柄だからこそこの決めフレーズが生まれた、と言うべきだろう。

栃木をこよなく愛する彼らは、その地元愛と飾らない人柄によって、安定した地位を確立した。出会った人すべてを味方につけて、ファンにしてしまうような不思議な魅力こそが、彼らの強みである。

お笑いTVで、U字工事の動画を観る。