東京03。コントで食っていく夢を実現したカリスマトリオのお笑いの特性

東京03。コントで食っていく夢を実現したカリスマトリオのお笑いの特性

コントで夢を叶えたカリスマトリオ

東京03のコントは、一見すると地味な感じがする。登場人物はそこら辺にいそうな普通のサラリーマンやOLばかり。設定も会社や居酒屋などの日常的なものが多い。

彼らのコントでは「現実で起こりそうなことしか起こらない」という特徴がある。はじめに小さな事件があり、それを発端としてすれ違いが起こったり、いさかいが生まれたりする。ありふれたシチュエーションで人間心理の機微を素材にして笑いを生み出していく。それが東京03のやり方だ。

角田が笑いの起点になる

トリオの笑いの起点となっているのが角田晃広である。彼は芸人の中でも屈指の味わい深いキャラクターを持っていて、ギャグでも何でもない普通のことを大声で叫ぶだけでも、なぜか面白くなってしまうという特異体質の持ち主だ。

細かい人間心理を捉えた彼らのコントがこの上なく面白いものになっているのは、角田が大立ち回りをしてそこに潜む小さな笑いを増幅させてくれるからだ。

豊本明長は何を考えているかわからない不思議な存在感を持っていて、角田とは違う切り口で笑いを生むことができる。また、飯塚悟志は角田と共にネタ作りを担当していて、トリオの司令塔的な存在だ。演技力があるのはもちろん、シンプルな言葉で力強く放つツッコミの技術は超一流だ。

飯塚、豊本の2人はもともとアルファルファというコンビを組んでいたが、活動が上手くいかずに苦戦していた。そこに角田が加わったことで爆発力のある笑いを起こせるようになり、一気に頭角を現した。そのコントの面白さには定評があり、2009年には『キングオブコント』で優勝を果たした。
東京03

全国ライブツアーを開催。若手コント芸人にとって憧れの存在に

お笑いコンテストをテレビで売れっ子になるための登竜門のように考えている若手芸人も多いが、東京03は優勝後もライブに軸足を置いて着実に活動を続けてきた。その結果、単独ライブの規模は年々大きくなっていき、現在では全国を回る大規模なホールツアーを毎年開催している。

最近では、ネタ番組でコントを演じるのに加えて、CMに出演したり、役者としてドラマに呼ばれたりする機会も増えてきている。

コントを専門にしている若手芸人にとって、東京03は絶対的な憧れの存在である。毎年、単独ライブツアーで全国を回っていて「コントで食っていく」という夢を実現している数少ない芸人だからだ。東京03は、若手芸人たちの夢を背負った当代随一のコント芸人なのだ。

お笑いTVで、東京03の関連動画を観る。