家に帰って独り言が言いたい お笑い界随一の「独り言芸人」とは!?

家に帰って独り言が言いたい お笑い界随一の「独り言芸人」とは!?

今回お話を伺ったのは、トゥインクル・コーポレーション所属のお笑いコンビ・かにゃのビンオさん。「独り言が趣味」とはどういうことなのか?

「 僕、一人きりのときか、自分の知ってる人しか周りにいないときに、すごく意識して『独り言をめちゃくちゃ言う』ようにしているんですよ。なんか、自分の中でテンションが上がるんですよ。独り言を言うと。本当に何でもないことなんですけど、例えば『これをやって、そのあとこれやって、それでやろうか』みたいな。『お、いいね。いい感じだね』って、自分で自分に語り掛けるみたいな。そうすると能率が上がるんですよ。気持ちも楽しくなりますし。自分しかいない空間か、自分を知ってる人がそばにいるときですね。本当はいつでも言いたいんですけど、電車とか、道を歩いているときに言っちゃうと、ちょっとおかしい人みたいに見られるのがイヤなので。ただ、独り言に慣れすぎて、言わないと決めている場面でもつい出てしまって、バイト先なんかで『あれ、あれどこにあったっけな』って自分自身に確認してたら、『それあっちにありますよ』って、独り言に反応されて。ワガママかも知れないんですけど、僕、自分の中では独り言だから絶対に反応して欲しくないんですよ。だから、ちょっと怒っちゃったんですよ。あとになってから申し訳ないなと思いましたね。

 

独り言って、多分言った方がすごく良いんです。実際、そういう研究結果もあるみたいなんです。口に出して言った方が物事忘れなかったりとか、段取りがうまく行くとか、効率が良くなるという。 例えば、家ににいて『これから皿洗うぞ』とか、『よし起きるぞ』とか、『窓開ける、ドア開けるぞとか、歯磨くぞ』って言うと、それがしやすくなる。暗示が掛かるんですかね? もう、僕にとってはそれが当たり前になっちゃってる。今はもう、能率とか関係なしに、『ただ言いたい』ぐらいの感じですよ。早く家に帰って、言いたい。独り言を言いたい。もはや、舞台ですね。だから、なるべく『独り言が言える環境にいたいな』と常に思ってます。知らない人がいる空間だと反応されちゃうので。

 

(独り言を)言っているときは、意識というか、自分でも『なんか、めちゃくちゃ言ってんな』って感じです。『いい感じだな、自分』って思ってます。一人でいると、あまりしゃべらなかったりするじゃないですか? 一日家にいたら、一言も何も言わなくて終わるみたいな。僕は逆で、一日家にいたらずっとしゃべってるんで。外にいるときよりも。(家では)まあ、テレビに話したりするのの延長みたいな感じですかね。エアコンとかを寒い時につけるときは、『がんばれ、がんばれ』って言うんですよ。エアコンに。

 

実家にいるときからなので、独り言生活を始めて、もう7、8年くらい経ちますかね。たぶん、僕が一番(独り言を)言ってると思います。こういう使い方をしている人の中で。言葉っていうのは人としゃべるためにあるけど、僕にとっては自分としゃべるための言葉みたいなものですかね。隠し撮りとかされたら、もう『ヤラセなんじゃないか』ってくらいしゃべっていると思います。本当に、一人でも全く寂しくないですね」