女が女に「ブス」と言う尼神インターの革新性

女が女に「ブス」と言う尼神インターの革新性

一般的にはあまり意識されていないことかもしれませんが、ここ数年、大阪で活動していた吉本芸人の東京進出という動きがあります。大阪である程度の実績をあげた芸人は、東京に拠点を移し、東京のテレビに出ることを目指すのです。ただ、拠点が東京でも大阪でも、基本的な活動内容は変わりません。大阪側の芸人が東京のテレビに出ることもあるし、東京側の芸人が関西で仕事をすることもあります。だから、この動きというのは一般的にはあまり気付かれていないのかもしれません。でも、実は続々と大阪から東京に出てきているわけです。

 

そして、そんな上京組の中でも、最近とくに東京のテレビでよく見かけるようになってきたと思うのが、尼神インターのお二人です。彼女たちは、この春から東京での生活をスタートさせました。バラエティ番組に出ても確実に結果を出しているような気がします。

 

彼女たちの売りは、聖子さんが「ブスなのにぶりっ子」というキャラを持っていることです。いわゆる「ブスいじり」をされる女性芸人は珍しくはありません。近藤春菜さんや大久保佳代子さんも、バラエティ番組でそういう扱いを受けることはよくあります。

 

でも、聖子さんは、主力とする武器が「ブス」一本槍である、というところが潔くて独特なのです。もちろん、本人は自分をブスだとは思っていないでしょうし、自らそう名乗ることもありません。しかし、漫才やトークにおいては、相方の渚さんがひたすら聖子さんをブス扱いしてイジり倒す。その容赦のなさが妙に面白いのです。

 

男性が女性を「ブス」と言ってしまうと、見る人にどぎつい印象を与えてしまうことがあります。でも、尼神インターの場合、女性が女性に堂々と「ブス」と言い切ります。渚さんは大工として働いていたこともあり、ヤンキー気質の男勝りなキャラクターです。そんな彼女がバッサリと切り捨てるように相方の容姿をイジるのが痛快なのです。

 

オアシズやたんぽぽのように「Wブス」を売りにしている女性コンビは今までにもいましたが、片方を執拗に追い詰めるこの形はありそうでなかった新しいスタイルです。お笑いのあり方が多様化していくにつれて、女性芸人や女性コンビのバリエーションも豊かになっているような気がします。