ゴッホより普通にデスダンスが好き

ゴッホより普通にデスダンスが好き

10月2日放送の『キングオブコント2016』、皆さんはご覧になりましたか?

 

いやー、面白かったですね。

 

出場する芸人さんのよりすぐりのコントが面白いのはもちろん、審査員や出場芸人それぞれのコメントも冴え渡っていて、お笑い番組としてかなりクオリティの高い内容になっていたんじゃないかと思います。

 

さて、前回のコラムでは、ジグザグジギーが過去にこの大会で披露した「デスダンス」のことを取り上げました。

デスダンスのネタを演じていたときの会場の空気がたまらなく面白くて、ああいうのをもう一度見たい、みたいなことを書いていたわけですが………さすが天下の『キングオブコント』の制作スタッフさんは、よく分かっていらっしゃる。ジグザグジギーのネタ前のVTRの中で、そのことについて触れられていた部分がありました!

 

VTRはこんな内容でした――――ジグザグジギーの2人は今年、3年ぶりに決勝に進出しました。ところが、ファイナリストに選ばれ2人はなぜか浮かない顔をしている。それは、前回決勝に行ったときに、「デスダンス」のネタで致命的な大スベリを経験していたからです。「客席で誰一人笑っていなかった」と彼らはその地獄の瞬間を振り返っていました。

 

ここで、VTRでは、そのときの客席の様子が映し出されていました。芸人審査員100人で埋め尽くされた客席。そこにいる人は全員が全員、じっと静まり返り、無の表情苦笑いを浮かべているだけ。映像で見てみると、確かに恐ろしいほどのスベリっぷりでした。でも、ここで客席の様子を捉えた2カットが、別の意味でめちゃくちゃ面白かったのは事実です。3年前のオンエアでは、客席の様子は映し出されていなかったため、この映像は今回が初出しになります。普通、スベっているときの客席の様子をわざわざ映すことはありませんから、これはこういう趣旨のVTRだからこそ流すことのできた貴重な映像なのです。

 

繰り返しになりますが、今年の『キングオブコント』は本当に面白かった。ネタも、コメントも、すべてが完璧に近い状態で整えられていて、笑ってしまう場面がたくさんありました。でも、個人的には、番組全体を通して一番腹を抱えて笑ったのは、このVTRの中でしらけきった客席の様子を映した「奇跡の2カット」なのです。

 

知り合いのお笑い好きにこの話をしたところ、その人にも大いに共感され、この2カットのキャプチャー画像を送ってくれました。持つべきものはお笑い仲間ですね。デスダンスファンの1人として、さっそくこれをケータイの待ち受け画像に設定したいと思います。