コントとは?コントの由来やコント漫才の概要を解説
コントとは?
コントは、フランス語で「寸劇」を意味する言葉で、特に日本では笑いを目的とした寸劇のことを指します。
舞台上にいる2人が、あくまでも本人として面白い掛け合いをする漫才に対して、コントは、ストーリーや設定に基づいて架空の人物を演じるのが特徴です。
コントの歴史
コントの歴史は、戦後のストリップ劇場でショーの幕間に行われていた芝居が発祥であると言われています。前述の通り、コントでは演者が架空の人物になりきるので、テレビ番組で人気を博すようなキャラクターが生まれやすく、1980年代以降は各局でコントを中心に据えたバラエティ番組が数多く制作されました。
ザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』に始まり、『ダウンタウンのごっつええ感じ』の放送によってコントの面白さが全国の視聴者に広まっていきました。2008年に放送開始されたコントの日本一を決める大会である『キングオブコント』は、現在も絶大な人気を誇っています。
コントの種類
寸劇という名前の通り、コントとは一種の演劇です。衣装や小道具なども含めて世界観を作り、その設定を演じることで観客が笑いに集中することができる空間を作り上げます。そのため、練り上げた世界観を伝えるのにある程度の時間が必要になり、複雑なネタになるほど全体の時間が長くなってしまいます。ネタによっては、10分以上のコントを行うコンビやトリオもいます。
一方で、セリフひとつだけであったり、衣装や顔芸のインパクトだけで笑いを取るコントも存在します。そういった数秒から1分程度のコントのことを「ショートコント」と呼びます。伏線を回収することで笑いだけではなく完成度を楽しませるコントとは違い、ショートコントは瞬発力的な笑いを提供してくれます。
また、相方を必要とせずピンで行う「1人コント」も、コントの一種です。漫才はボケとツッコミ、少なくとも2人を必要としますが、寸劇であるコントは、ひとりで両者を演じてしまうことが可能です。独演する場合もあれば、フリップや音楽、映像を巧みに使う芸人もいます。
コント漫才や漫才との違い
同じ「お笑い」であっても、コントと漫才には大きな違いがあります。近年では「コント漫才」と呼ばれる漫才が登場し、ふたつの垣根を分かりにくくしています。ここでは、「コント」と「漫才」、「コント漫才」の違いについて解説していきます。
コントと漫才
漫才は、ふたりの漫才師があくまでも自分として面白い話を繰り広げますが、コントの場合は、そのストーリーにおける役柄になり切って話を展開していくのが特徴です。たとえば登場の際、漫才師は自己紹介や導入の小話をしますが、コントは「作り上げた世界観に浸ってもらう」ことが重要なので、いきなりセリフから入っていくことが多いです。
コントとコント漫才
近年、「俺がコンビニの店長をやるから、お前はバイトの面接を受けにきてよ」というように、漫才の中で役柄を演じるというシチュエーションが増えてきています。このようにネタの途中にコントのような設定が登場するタイプの漫才のことを「コント漫才」と呼びます。サンドウィッチマンや、2020年の『M-1グランプリ』で王者に輝いたマヂカルラブリー、2021年の『M-1グランプリ』王者である錦鯉などの漫才は、このコント漫才に分類されます。
「コント漫才は漫才ではない」という批判もありますが、コント漫才は、漫才の中にコントのようなシチュエーションが入っているだけなのです。役柄を演じているという点では同じですが、はじめからその役柄に没入しているコントとは違い、コント漫才は、あくまでも漫才師としてその役柄を俯瞰的に演じています。その設定自体をボケとして活かしたり、あるいはツッコミの対象にするなど、漫才の構成を良くするための補助的な役割を果たしているのです。
まとめ
コントは人数や時間などの制約が少なく、極めて自由度の高いお笑いと言えます。ある程度の形式を重んじる漫才とは違い、何でもできるからこそ、いかに観客に自分たちの世界観を無理なく伝えられるかが重要になるのです。
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