クレジットカードはマジで怖い! カード会社で働く芸人がクレジットカードの闇を告白
今回お話を伺ったのは、トゥインクル・コーポレーション所属のお笑いコンビ・イエスマンの村山さん。クレジットカード会社の知られざる裏側とは?
「僕、とあるクレジットカード会社で働いていまして、『モニタリング』といって、お客さんのカード利用を24時間体制でチェックするという仕事をしているんです。不審な取引があったらカードの利用を止めて、お客様に利用したかを確認したりということをやっています。うちの会社はあまり大きくないカード会社なんですけれども、それでもやっぱり、月に500万円とか1,000万円くらいは悪用されてしまうんです。これがアメックスくらいの大きな会社になると、もう月5億円くらいの規模で悪用されています。だから、アメックスは年会費が高いんですよ。年会費って、要は『悪用分の補填』という側面もあるんですね。
僕からすれば、はっきり言って『カードは怖い』んです。偽造はもちろんですけど、カード番号なんて所詮16桁なので、ランダム生成でも簡単に当たってしまう。しかも、16桁あっても最初の8桁くらいは会社によって割り振られているからある程度は決まっちゃうんですよ。マスターだと5から始まる、みたいな。だから、残りの組み合わせだけでいける。ヒドいときなんかは夜中の間にぶわーっと連ちゃんで悪用が起きる。引っかかった番号のカードが、もう何十万とか使われたりだとか。それで、それを必死に止めて行ったりするんですけど、もう追い付かない。向こうは自動で、システムでやってるけど、こっちは人海戦術でやってるんです。朝まで一睡もできずに止め続けることも結構ありますからね。
カードの不正利用は、国内ではほとんど反社会的勢力絡みです。今は個人でやるのは難しい。スキミングやカードの偽造とかも、だいたいバックにいるの反社会的勢力です。資金源になるんです。被害に遭わないようにするためには、まず、基本的に信頼できる店以外では絶対にカードを切らないことです。まあ、キャバクラとか風俗系の店は危ないっていうのは通説ですけれども、最近だと、某有名ホテルがスゴかったですね。世界中にあるホテルなんですけれども、そこで切られたカードが全部偽造されていたんですよ。ほぼ全員が被害に遭った。そこの場合は、読み取る機械が細工されていたとかではなくて、情報を統括しているサーバーに不正アクセスがあったみたいなんです。そこで普通に宿泊費を払った人たちが、半年くらい後にみんなカード偽造の被害にあったり。そういうケースを考えると、現時点では未然には防ぎようがないと言わざるを得ないですね。
悪用の場合、『被害者は誰か』というと、カードの持ち主ではなくカード会社なんです。だって、お客さんは結局保証されるから。僕らにキレているお客さんも中にはいるんですけど、警察に言っても取り合ってはくれないんですよ。被害者として扱うことはできないので。そういうときの被害額の補填は予算に組み込まれてはいるんですけど、こちらとしても自己防衛的に止めていかないと、延々とお金が飛んでいってしまうんです。だから、誰がやっているのかとかを突き止めようと努力はしているんですけど、それも難しい。偽造カードが使われた店で持ち主を押さえても、それは『買い子』と呼ばれている、雇われてカードを使わされている大学生とかなので、結局は尻尾なんですよ。尻尾切りだけで、大元には行き着かない。その労力に見合わないので、どのカード会社も諦めている節もありますね」