アンジャッシュ 良くも悪くも何かと注目されているコンビを徹底解剖!

アンジャッシュ 良くも悪くも何かと注目されているコンビを徹底解剖!

すれ違いコントで視聴者に強烈な印象を残した70年代組芸人

有吉弘行、くりぃむしちゅー、バナナマンをはじめとして、現在のテレビバラエティ界で中心に立っているのは、1970年代生まれの世代の芸人たちである。華やかなテレビの笑いに憧れて芸人になった世代であるため、芸人の数も多く、競争も激しい。それだけにさまざまな個性を持った逸材が揃っている。

そんな「70年代組」の中でも、アンジャッシュは独特の道を歩んできたコンビである。彼らは『エンタの神様』『爆笑オンエアバトル』などのネタ番組に出演して最初のチャンスをつかんだ。当時の代表作は、2人の人間が勘違いをしたまま噛み合わないやりとりを続ける「すれ違いコント」である。緻密に構成されたアンジャッシュのコントは視聴者に強烈な印象を残した。

渡部は趣味を生かした仕事を始める

その後、アンジャッシュはバラエティの世界で苦戦を強いられた。スタイリッシュな外見で際立った個性のない彼らは、なかなか持ち味を出せなかった。そこで渡部建は自らの武器を探すことにした。恋愛心理学、高校野球、グルメなど、世の中の人にも需要がありそうな自分の趣味を全面的にアピールして、そこから仕事のきっかけをつかんだ。

そんな前向きな姿勢が評価されて、渡部は司会者として多くの番組に出るようになった。音楽番組、情報番組、バラエティ番組など幅広いジャンルの番組を手がけていた。また、芸能界有数の食通であることでも知られ、プライベートでも食べ歩きを続け、グルメ本を出版した。

渡部が有名になっていく中で、少しずつ相方の児嶋一哉にもスポットが当たるようになってきた。マルチな才能を見せる渡部に対して、児嶋さんは何もできない「ポンコツ芸人」として注目された。

共演する芸人に「どう思いますか、大島さん」などと名前を間違えられ、「児嶋だよ!」と返すお約束の流れが生まれ、それが広まっていった。また、演技力が認められて俳優としても数多くのドラマや映画にも出演している。

渡部の不倫スキャンダルで窮地に

だが、渡部は不倫スキャンダルが報じられたことで活動休止に追い込まれた。アンジャッシュにとって最大の危機だった。児嶋はこれをきっかけに奮起して、YouTubeでも人気を博すようになった。トークが苦手でアドリブにも弱いことを芸人仲間から容赦なくイジり倒されてきた彼が、人間的な魅力を見せて新たに評価されるようになってきたのだ。

渡部はコンビとして長年続けてきた冠番組『白黒アンジャッシュ』(千葉テレビ)から芸能活動復帰を果たした。現時点ではこれ以外のテレビ番組には出ていないが、ようやく本格的な活動再開の兆しも見えてきた。

見た目も芸風もそつなくスマートで、特徴がないと思われていた2人も、ここ数年の紆余曲折を経て、良くも悪くも何かと注目される存在になってきた。『白黒アンジャッシュ』を足がかりにして、再びコンビとして羽ばたく日は来るのだろうか。

お笑いTVで、アンジャッシュの動画を観る。