不思議な雰囲気を放つ脱力系トリオ 四千頭身の漫才の魅力とは

不思議な雰囲気を放つ脱力系トリオ 四千頭身の漫才の魅力とは

若くして世に出た脱力系トリオ漫才師

お笑い界ではコンビとして活動する人が圧倒的に多く、トリオはほとんどいない。その最大の理由は、ボケとツッコミの「1対1」の関係性がネタを演じるときの基本だとされているからだ。

トリオだとそこに新たに1人加わることになるため、その人にどういう役割を与えるべきかを考えなくてはいけない。1人増えるだけでネタ作りの苦労が格段に多くなる。特に漫才を演じるのは難しいと言われる。コントではそれぞれが役柄を演じればいいのに対して、漫才は純粋な会話だけで構成されているからだ。

そんな中で、四千頭身はトリオの漫才師として着実に結果を残している稀有な芸人である。彼らの漫才の特徴は、決まった型がなく、ネタごとに常に新しい試みをしていることだ。センターに立つ後藤拓実がツッコミを担当することが多いのだが、残り2人の役割は流動的で、ネタによって大きく変わる。

変則的な漫才で注目される巧みなネタ構成

彼らの出世作となったのは「頭取りゲーム」というネタだ。しりとりの代わりに最初の文字が同じ単語をつなぐ遊びをするというもの。最初の文字が同じ単語を3人で順番に言っていくだけの不思議な状況から、巧みな構成で笑いを生み出していく。

また、彼らは漫才の枠組みそのものを壊すような試みを行うことがある。YouTubeの動画のように漫才の途中で「広告」が流れるという設定のネタもあった。

異彩を放つのは後藤の小声ツッコミ

後藤はネタ作りを担当するトリオの頭脳と言える存在だが、3人の中で最も声が小さい。場を制圧するような大声の持ち主が多いツッコミ芸人の中では異色の存在だ。能天気で明るい都築拓紀、物静かなイケメンの石橋遼大も、それぞれつかみどころのないキャラクターの持ち主だ。

第七世代ブームから進化を続ける四千頭身

3~4年前のお笑い界では、20代前後の若い芸人が次々に出てきて空前の「第七世代ブーム」が起こった。四千頭身もそのブームの中心的な存在として数多くの番組に出演していた。
不思議な雰囲気の3人が演じる独特の漫才は「脱力系漫才」とも呼ばれる。まだ若いのに肩の力が抜けて老成したような漫才を演じる彼らは、これから歳を重ねてどんな進化を遂げるのだろうか。

お笑いTVで、四千頭身の関連動画を観る。