熱帯魚屋さんで働く無能社員の正体は「ドラゴン殺し」?

熱帯魚屋さんで働く無能社員の正体は「ドラゴン殺し」?

今回お話を伺ったのは、トゥインクル・コーポレーション所属のお笑いコンビ・かにゃの丸沢丸さん。バイト先にいた「ドラゴン殺し」の正体とは?

「昔、熱帯魚屋さんでアルバイトをしていたことがあるんです。これはそこで働いていた社員さんの話なんですけれども、その人がめちゃくちゃヤバい人だったんです。どうヤバいかと言うと、そこは元々、お花屋さんが母体のお店なんです。全国に何十店舗もあるお花屋さんでして、僕がいたのは観葉植物なんかも売っている熱帯魚屋さんだったんです。それで、その人はどのお店からもどの部署からも『こいつは使えない』と言われて、色んな店舗をたらい回しにされて、最終的に僕がいたところに行き着いたんです。だから、相当仕事ができない。ただ、そのグループの社長さんが『自分からは絶対にクビしない』『自分のところに来た以上、頼ってくれる人はずっと面倒見るよ』っていう素晴らしい方で、その精神のお陰でクビにならずに済んでいたんです。

 

あるとき、『丸沢くんちょっと来て』と言われて、『ちょっとレジのお金が足りなんだけど』とその人に怒られたんです。僕、絶対に間違えない自信があったので、『いやいや足りないわけないですけど』と言ったんですけど、実際に確認してみると本当にいくらか足りないんです。鬼の首を取ったように『丸沢くん、こういうのは本当にしっかりしてもらわないと困るよ』と説教されたんですけど、そこから10分くらいしてから、また『丸沢くんちょっといい?』と呼ばれて、『さっき僕、レジのお金のこと怒っちゃったけど、あれ、僕がお金を抜いたんだった』と謝られたんです。何かの買い物をするのに使ったみたいで。本当にしょうもないなと思って。そういうのがしょっちゅうあるんですよ。

 

極めつけが、熱帯魚売り場の目玉でデカいアロワナを売っていたんですよ。アジアアロワナっていう、個によっては10万円くらいするような魚です。毎日の日課で、水槽の水替えをしないといけないんですけど、僕が他の水槽をやっている間、その人がアロワナの水槽をやってくれると言うので任せてしまったことがあったんです。しばらくして突然、その人の悲鳴が聞こえて。『うわああ』みたいな。『ええ、どうしよう、どうしよう』と騒いでいるんです。掃除の手を止めて駆け寄ると、アロワナが水半分くらいになってる状態でバッタンバッタン暴れて死にかけていたんですよ。アロワナって熱帯魚なんです。だから、25、6度くらいの水に入れなきゃいけないんです。そのときは冬場だったので、温かい水を用意しないといけないんですけど、その人、普通の冷たい水道水をめちゃめちゃ入れたみたいで、結局、温度差でアロワナが死んでしまったんです。アロワナって、英語では『ドラゴンフィッシュ』って言うんですけど、その人はその件以来、陰で『ドラゴン殺し』と呼ばれて恐れられてましたね」