映画芸人が教えてくれる「今オススメの映画トップ5」

映画芸人が教えてくれる「今オススメの映画トップ5」

2.『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

もう1本が、これもアメリカの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」っていうアメコミ映画なんですけど、今アイアンマンとかスパイダーマンとかキャプテンアメリカとか「アベンジャーズ」といって集合するような映画があって、マーベルシネマティックユニバースといって一連の世界観の中で単体の映画をやってて、たまに集合してみたいなことをマーベル映画はやってるんですけど、アイアンマンとかスパイダーマンってもうアメリカ人はみんな好きなキャラクターというか、みんなお馴染みなんですけど、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」というのは、5人悪党がいてならず者悪党たちが銀河のために戦うっていうシンプルな話なんですけど、2年前かな。公開当時誰も知らないんですよ、この5人のキャラクターを。「誰これ?」みたいな。だから、インパクトないんですよね。例えば「スパイダーマン」新作でましたってなったら、スパイダーマンすごいってなるんですけど、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の場合は、全然知らない、たぬきとかも混じってるんですよ、しかも。だから、「なにこのB級感?」みたいな感じで、みんな先入観があるんですけど、見るとめちゃめちゃ面白くて。

簡単に言うと、地球で幼少だった男の子が、お母さんが病気で死ぬシーンから始まるんですよ。そのお母さんは、幼い息子にテーププレーヤーをプレゼントしてて、お母さんが定期的にテープをプレゼントする。自分で作ったリミックスみたいなものを。お母さんが死ぬ間際に最後テープを1本渡されるんですけど、息子はお母さんの死を受け止めれず、その場から逃げちゃうんですよ。母の死を見届けずに。病院の外にでると上から宇宙船が現れて拉致されて、その10年後みたいな話に飛ぶんですね。飛ぶと、その主人公が、トレジャーハンターみたいな盗みを働く悪者になってまして、粋なのが母親から地球でもらったテープレコーダーをヘッドセットで聞きながらトレジャーハンターをするっていう、映画史に残る最高のオープニングがあるんですけど。これもさっき言った、911以降でなかなか「正義とはなんだ?」「悪とはなんだ?」とかって入り組んでる作品が多い中で、単純に笑えるし面白いしわくわくするし泣けるっていうエンターテイメントが詰まった1本になってますね。これはおすすめです。

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1.『死刑台のエレベーター』

ラストはフランス映画なんですけど、「死刑台のエレベーター」という映画がありまして、これが1955年とかかな。フランス映画って「映画好きがフランス映画好き」っていうのをよく、あるあるというか。僕ちょっとそういうの抵抗があって、「フランス映画見てないんじゃ映画好きじゃない」みたいなことを言う人いるんですよ。そういうの僕嫌いなので、見ないようにしてたんですけど、でも死刑台のエレベーターって1回、日本映画で吉瀬美智子さんとかがリメイクしたりとかしてて、それでもと見てみようと思って見てみたら、サスペンス映画なんですけど、ある会社のめちゃめちゃ裕福な社長に若い奥さんがいるんですけど、その奥さんと不倫をしちゃうのが、その会社の社員なんですよ。冒頭でその社長をピストルで殺して、自殺に見せかけて奥さんと逃避行しようとするっていう計画があったんですね。冒頭で社長殺されるんですけど、ひょんなことから主人公の青年はエレベーターで帰るんですけど、途中でビルの電源が落ちてエレベーターからでれなくなっちゃうんです。だから主人公を待ってる、殺された社長の奥さんとかは、なんででてこないのかわからなくて、逃げられたって思っちゃったりしたり、あとは主人公が持ってた車とかが実は悪用されて二次被害で別の殺人が起きちゃったりするんですよ。主人公の青年がエレベーターからでたら、自分はずっとエレベーターにいたはずなのに色んな事件が起きてて、社長殺しじゃなくて別の人が起こした殺人の容疑者になってるっていう。

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で、どうなっていくかっていう話なんですけど、よくあるボタンの掛け違いのミステリーみたいな感じで、邦画でも結構そういうのがあるんですけど、そういうのよりも全然良くて。なんでかというと、シンプルというのもあるんですけど、音楽がジャズで即興で弾いたピアノの音楽を映画にそのままいれてて、これがめちゃめちゃお洒落で。サスペンスではあるんですけど皮肉な展開もあるし、いったらコメディーじゃないですか?ボタンの掛け違いって。だけど、それが笑いとかじゃなくて、お洒落な悲劇みたいな感じになってまして。こんな贅沢な映画ないなっていう、これも90分ぐらいでブルーレイも出てるんで、めちゃめちゃオススメな1本ですね。