ラバーガール 独特のコントがTikTokで大反響を巻き起こした理由

ラバーガール 独特のコントがTikTokで大反響を巻き起こした理由

TikTokで人気が再燃

「誰が着ても似合うおしゃれな服」が存在しないのと同じように、お笑いの世界でも「誰がやっても面白いネタ」というのは存在しない。なぜなら、特定のネタやフレーズが笑えるかどうかは、その人の見た目や声や雰囲気に大きく依存するからだ。その人がもともと備えている空気感に合ったネタをやらなければ、大きな笑いを取ることはできない。

ラバーガールは独特のとぼけた味わいのコントで知られている。彼らは決して奇をてらってその芸風を選んだわけではなく、自分たちの雰囲気に合ったネタを突き詰めた結果として、たまたまそこにたどり着いたのだろう。

リアルな日常会話風コント

ラバーガールのコントの特徴は、お互いがあまり声を張らず、日常会話に近い低いテンションで進んでいくことだ。その中で、長身で得体の知れない雰囲気を持ったボケ役の大水洋介が、突拍子もないことを言い出したりして、ツッコミ役の飛永翼を戸惑わせる。

飛永はツッコミ担当ではあるが、声を荒らげてツッコミをいれるようなことはほとんどなく、一歩引いたような落ち着いたトーンで対応をする。2人とも表情を崩したり感情的になったりすることはほとんどない。

ほかの芸人のコントと比べてみると、彼らのネタは淡々としている感じがする。しかし、私たちの日常会話のリアルな雰囲気を考えると、実はラバーガールのコントの方が現実に近いようなところがある。日常ではコントのように大きく声を張ったり、きついツッコミをいれたりする人はあまりいない。

ある時期から人気は衰えたものの再び脚光を浴びるように

ラバーガールの2人は、もともと見た目にも特徴がなく、一般人っぽい雰囲気がある。だからこそ、彼らには日常会話の延長のようなこのスタイルが合っていたのだだろう。

彼らは『爆笑オンエアバトル』『エンタの神様』『爆笑レッドカーペット』などのネタ番組に出演して活躍していた。『キングオブコント』では二度も決勝に進んだ。ネタが面白い芸人というイメージは定着していた。

しかし、ある時期からネタ番組が徐々に減っていき、その人気は衰えていってしまった。そんな中で、最近になって、彼らが再び脚光を浴びるようになった。

TikTokのショートネタ動画で話題に

そのきっかけはショート動画アプリのTikTokだった。2021年に彼らはそこでアカウントを開設して、オリジナルのショートネタ動画をアップしていったところ、それが大反響を巻き起こし、瞬く間にフォロワーが増えた。今では彼らのことを知らなかった若い世代にも支持されている。

もともとラバーガールのネタは、ボケ役の大水が独特の雰囲気を生かして、唐突におかしなことを言うというのが売りだった。この芸風は、フリからオチまでの時間が短いため、ショート動画に向いている芸風だった。たまたま自分たちのやり方に合ったショート動画アプリが流行している時代が訪れたからこそ、彼らはそこで人気を博すことに成功したのだ。

面白いネタをやる実力があれば、チャンスは何度でも訪れる。ラバーガールの面白さが本当の意味で世間に認められるのはこれからだろう。

お笑いTVで、ラバーガールの動画を観る。