ア◯ルに爆弾を抱えて命がけで舞台に上がり続けるお笑い芸人

ア◯ルに爆弾を抱えて命がけで舞台に上がり続けるお笑い芸人

今回お話を伺ったのは、トゥインクル・コーポレーション所属のお笑いトリオ・ブーメラン学園の酒井さん。ア◯ルにまつわる相方との心温まるエピソードとは?

「これは相方のやさしさに触れた話なんですけれども、実は僕、痔を持ってまして、いぼ痔とか切れ痔とかの種類がある中で、痔瘻という一番痔の中でもレベルが高い痔なんです。それが4月の15日に爆発しまして、それが『事務所のみんなでコントライブをやる』っていう日だったんですよ。しかも、1日2回公演で。その前から稽古がずっと毎日続いていて、精神的にもストレスが溜まっていて、それぐらいからお尻に違和感をずっと感じてたんですね。それで、病院に行く時間もなくて、その当日になったら、もう痛くて歩けない状況になっちゃいまして。『とりあえずこれは病院に行かないと』と思って病院に行ったら『これは痔瘻だよ』と宣告されたんです。

 

何でも『膿が溜まってて、これを出さないと、ずっと痛みが取れないから』と言われて、割と軽い感じで手術しようと言われたんです。そこで日帰り手術をしたんですけど、まあ当然ア◯ルに麻酔をしまして、その麻酔が人生で一番痛かったんです。しかもですね、僕結構お酒を飲むんですけど、『お酒を日常的に飲んでる方はこの麻酔の効きが悪いよ』みたいな感じで言われまして。膿で腫れてる部分にメスを入れて、そこから膿を出すんですけど、そのメスを入れるのが、麻酔が効かなくてものスゴく痛いんですよ。手術といっても、普通の診察室の中でベットに横になってお尻を出してやるんで、ドア1枚しか待合室と壁がないんですよ。その中で僕、本当に『痛い、痛い、痛い』って大絶叫して……。多分、待合室中に聞こえてたと思います。耐えかねた僕が『ちょっとこれ、麻酔効いてないですよね』って言ったら、『うーん、なら今はこれ以上やれないね。膿を全部取り切れないから、今日はとりええず絶対安静で様子を見て、1週間後また来てください』って言われたんです。

 

でも、その日はライブ当日だったんです。『実は僕、舞台に出る仕事やってまして、今日2回舞台に出ないといけないんですけど』と伝えたら、『それって汗かきます?』と訊かれたので『めっちゃかきます』と答えたら、『そんなの絶対ダメだよ。あり得ないよ。休んで』と怒られたんです。そうは言っても休めないので、無理を押してライブに出たんですよ。そうしたら、座ったり、立ったり、動いたりで汗をめちゃくちゃかくので、術後でア◯ルにガーゼを貼ってたんですけど、そのガーゼを取り替えないといけなくなったんです。でも、お尻なので自分でガーゼを取り替えられないじゃないですか?  鏡を見ながらやるわけにもいかないし。ふと『唯一、自分のア◯ルを見せられる奴は誰かな』って考えたときに、真っ先に浮かんだのが相方の杉村だったんです。それで、『ちょっとガーゼを変えてくれ』って頼んだら、意外と嫌な顔をしないで、すんなり変えてくれたんです。冷静に『大丈夫か?』とか『心配だな』と声を掛けてくれて。僕のア◯ルに。

そのことがすごく嬉しかったんですけど、結局、その汗かいたのが原因で、1週間後に病院に行ったら『全く治っていない』と言われてしまいまして。僕は今でも痔瘻持ちながら生活をしてるんですけど、お医者さん曰く、『完全に治すなら10万円以上かけて10日以上入院する根治の手術をするしかない』って。『ただ、この痔瘻と付き合ってる人は世の中にたくさんいるので、痛みが出なかったら、このままの人もいるけど、最悪50過ぎたあたりに癌で死ぬことあるから気を付けてね』と、サラッと告げられましたね。だから僕、今、命がけで舞台に上がってお笑いやっているんです」