浅草の人力車芸人がオススメする観光スポット

浅草の人力車芸人がオススメする観光スポット

今回お話を伺ったのは、ケイダッシュステージ所属のお笑いコンビ「ラ・ラベスト」のミドリカワさん。お笑い芸人をする傍ら、浅草で「人力車の飛脚」の仕事をしているというミドリカワさんが教えてくれる、人力車、ひいては浅草の裏側とは………!?

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―――今日は人力車の話を伺います。「人力車の飛脚をやられている」ということで、もう何年くらいやっているんですか?

もう3年くらいですかね。

―――ちなみに浅草ですか?どうして始めようと思ったんですか?

元々はですね、先輩の芸人さんに紹介してもらった形なんですけど、芸人やってるといろんなバイトがあったりして、コンビニであったりとか、そういうのもあるんですけど、スケジュール的に言えばコンビニの夜勤やってた方が都合が良かったりもあると思うんですけど、せっかくアルバイトしなきゃいけないんだったら、そこで「何か自分が得られるものがないかな」と思って、人力車だったら営業する時に、「お客さんと話をしたり」とか、そういう交流が出来ると思ったんです。あとは単純に、元々スポーツやってたんで、運動にもなって、トークの練習にもなりつつ、お金も稼げるって言ったら一石二鳥どころではない。それでやり始めましたね。

―――ちなみにスポーツは何やってたんですか?

サッカーをやっていました。

―――観光地である以上、外国人のお客さんとか多いと思うんですけど、あとは初対面の人、日本人もそうじゃないですか。やっぱり「知ってるお客さん」だけが来るわけじゃないですよね。そうなると当然「初めて会う人」と仲良くならなくちゃいけないんですよね。そういう時、どうやって仲良くなるんですか?

まず、駅から出てきたりとか、歩いてる人に声をかけるときに、どこを見るかっていうと、「浅草を楽しもうとして来ているな」っていうオーラを見分けるんです。大体。どこがどうとか、具体的に言い表せる訳じゃないんですけど、慣れてくるとなんとなく分かるので、そういう人になるべくそのテンションに合わせた挨拶とかすると。

―――仕事で来ている人とかでしょうか。そういう人はまた違うオーラなんですね?

駅下りた瞬間に上見たりとか、そういう仕草で観光に来ているなって分かるんです。「なんかあるかな?」みたいな感じで上を見たり周りを見たり。

そういう人はだいたい浅草を知ろうと思って、興味があってそこにいるので、「こんなのはどうですか?」って色々紹介すると、それに合わせて乗っかってきてくれる。押し売りするっていうよりは、「今日何をするのか」を色々と質問をして、「それだったらこうした方がいいんじゃないですか?」って言って、「せっかくなら人力車で行くといいですよ」みたいな話に持っていったりするんです。

外国の方もノリで声かけると乗ってくれたりもするんで。なおさら外国の方はテンションを上げて話し掛けたり、英語で言ったりしますね。

―――英語も出来るんですね?

人力車の車夫としては困らないくらいは。
挨拶、日常会話、ちょっと歴史の紹介するくらいですかね。

―――車夫って憧れる人が多いと思うんですけど、かと言って、誰でもなれる訳ではないですよね?

一応ここまで3年もやってみると、「これ正直誰でも出来るな」って思いますよ。何でかって言うと、「結構体力いるんじゃないかな?」って思いきや、意外とてこの原理が動いてるんで、車体を持ち上げてるって言うよりは、手を添えて寄りかかってる感じに近いんですよ。置いてる時はもちろん手前に負担がかかってるんですけど、ぐっとちょっとあげたらある程度の所からはてこの原理で、今度は逆に上に上がるんで、押さえつける感じなんです。

あとは走ってる時って、自分の振動で内臓が疲れたりして余計きついんですけど、人力車を持ってる時は、それ自体がクッションになってくれるので、上下動が内臓にかからないんです。だから、慣れてくるとちょっとした距離だったら人力車を持っていた方が楽だったりするんです。もちろん長距離になってくると、今度は足が疲れてきたりとかあるんですけどね。

そういうのを考えてみると、「コツさえ掴めば誰でも出来るな」っていうのがありますね。あとは人と喋る仕事なので、それがどうこうっていうのは多分本人次第だと思うんです。喋るのが好きだったらやってもいいですし、元々根暗っていうか、昔から地味だったタイプの人もいるんですよ。

―――車夫の中には?

でも、そこで「自分を変えよう」として色々な人と喋ったりとか、そういうことで段々明るくなってくるような人もいます。仕事の時だけでもスイッチを変えられる人もいるんで。そういうのがあるので、気持ちがあれば誰でも出来るかなって。