今回お話を伺ったのは、サンミュージック所属のお笑いコンビ「スローラン」の原さん。日本人とは付き合ったことがないという原さんは「ファーストキスがサウジアラビア人」という回答でアンケートを実施した我々を震撼させた強者だ。聞けば聞くだけどんどん出てくる外国人との恋愛エピソードをご覧頂きたい。
―――外国人としか付き合ったことがない?
日本人とは一度もないです。
―――外国人には凄くモテるとのことで?
22歳の時にニューヨークに留学をしていまして、それまでは一度も彼氏が出来たことがなかったんです。男性と手を繋いだこともないような状態でアメリカに行き、勘違いをしてしまったんですね。
日本人はアメリカの男性にイエローキャブって呼ばれてるんですよ。乗りやすいって意味で。最初に(アメリカに)行って右も左も分からない状況だった時に、現地で知り合ったあるサウジアラビア人の方にすごい可愛い可愛いって褒められて、「あ、(私は)可愛いんだ」って思い込んでしまったんです。
私、アマチュアからずっとお笑いをやっていたので、みんなにブスブスとからかわれ続けていたんですね。だから「あれ、(私は)ブスなのかな」って思っていたら、アメリカに行ってからは全員が可愛い可愛い言ってくれるので「あ、外国ってすごいな」って思ったんです。
で、ある時、サウジアラビア人の方にクラブみたいな所に連れて行かれまして、一緒にダンスをしていたら、「キスしたい」と言われたんです。まだ(キスを)したことがなかったので断りたかったのですが、そこで日本人の「ノー」が言えないという悪い癖が出てしまって、嫌だと言えなかったんです。
その代わりに「I don’t know」「分からない」って言ってたら、それがまた可愛いんだからみたいな感じになってしまい、「どうしようどうしよう」と思って最終的に唇が迫ってきた瞬間に、「あ、これ、ファーストキスがサウジアラビア人っていうのは面白いかな」って思ってしまいキスしてしまいました。
―――芸人根性のせいで、22年間守ってきたキスを?
はい。そこから私のタガが外れてしまったんです。
そのサウジアラビア人のひとの話なんですけど、キスだけじゃ我慢できなかったみたいなんです。でも、私は完全に処女だったので、「いやいやそれだけは」と思っていたのですが、その時はまだ良く分かってなかったんです。
―――良く分かっていなかった?
大学の男友達とかも普通に家に泊まったりして、別に何にもなかったので、(同じ部屋に泊まることは)危ないものだと思っていなかったんです。
(サウジアラビア人に)「一緒に寝よう」って言われて。「僕もそろそろ国に帰るから思い出が欲しい」みたいなことを言われたので、みんなで雑魚寝するというかオールというか、そういう感じのことなのかなと思って部屋に行ったら、いきなり、がちゃん、て音がして鍵が閉められたんです。えっ、て思って彼のことをよく見てみたら、全裸だったんですよ。「うわ、どうしよう」とパニックになっていたら、「(君と)そういうことがしたい」と言われたんです。
「流石にそれは………」と思うじゃないですか。「それは私はしたことがないので無理です」ってずっと言ってたんですけど、でも、向こうは強い男ですし、鍵も閉められてるので、どうすればいいのかって焦りまくっていました。どうしたらいいのかなって思った時に、ふと、男の人を弱らせる方法を思いついたんです。
―――男の人を弱わせる方法ですか?
経験はなかったので、ただの知識だったんですけども、男の人は達した後に力が抜けるらしいじゃないですか?目の前にいるムキムキのサウジアラビア人は、完全にいきり立ってたんですね。すごい「ぶおーん」って感じで。
―――いきり立ってる(笑)
仕方がないと思って、今まで何の経験もなかったのに、手コキをしたんです。そうしたらもう大喜びで。
で、イクじゃないですか。で、イった後に、ちょっとふうってなってる瞬間に、全ての荷物持って鍵を開けてダッシュで逃げました。その後は自分の部屋に帰って、泣きながら相方にスカイプをしました。
―――その時の相方の反応は如何でしたか?
「そっかー」って言ってました。最初は笑ってたんですけど、だんだん私が本当に泣き出したので、「大丈夫?」って心配してくれてましたね。
で、それからタガが外れてしまって、クラブに行き始めたんです。びっくりすると思うんですけど、友達と「面白いから数えよう」って言って数えてみたら、一晩で22人くらいに声を掛けられたんです。
―――一晩で!?
22人くらいに誘われて、そんなに私はイエローキャブに見えるのかと思いましたね。
そんな時に、ある日普通に街を歩いていたら、横を走っていたタクシードライバーのひとに「学校まで行くんだったら、道分かるからタダで乗せてってあげるよ」って急に声を掛けられて、「ありがとうございます」って信じちゃったんですね。で、乗ったら、そのひとにプチ誘拐されたんです。
学校じゃない方向に行きだして「街を見せてあげる」って言われて、いやいやいやってなっている、「帰りたい」って半泣きになっている私を余所に色々な街を見せられて、「私はこのまま売られてしまうんじゃないか」って半ば諦めたような気持ちになっていたら、(タクシーが)湖の見える駐車場みたいなところで止まって、そこで急に「眼を閉じて」って言われたんです。チリ人のタクシードライバーに。
何が始まるのかと思って、とりあえず鞄を盗られたら嫌なので、鞄をぎゅってしながら薄目を開けてたんですね。そしたら、タクシードライバーは音楽を掛け始めて、スペイン語の歌をすごい熱く歌い始めたんです。サビまで熱唱し続けて、「コラソン!」、日本語で魂みたいな意味のところで、そのままキスをされました。「ここかい!」って思いましたね、
―――すごい経験ですね。熱唱するチリ人のタクシードライバー(笑)
あとはクラブで出会ったネパール人にキスされたりとか、色々な国籍のひとにキスをされましたね。
その事件の後に、初めて彼氏が出来たんですよ。
―――それもチリ人?
いえ、ニューヨーカーです。そのひととは普通にお付き合いをして、いっぱい友達も出来て楽しかったんですけど、私はやっぱり日本に帰って来てお笑いがしたくて、ずっとニューヨークにいる訳にはいかなかったのでお別れをしてきたんですね。
でも初めて出来た彼氏だったので、すごく悲しくて。悲しくて、悲しすぎて、その反動でやさぐれてしまいまして、帰って来てから今の彼氏が出来るまでにアメリカ人3人とアルゼンチン人ひとりと一夜を共にしてしまいました。でも、そういう風に出会いを求めて行ったバーでは確実に外国人には声を掛けられてましたね。
―――モテるんですね。
モテますね。
自分でもびっくりします。
―――分かりますか?このひと私に気があるなって?
分かります。普通にバーにいて、ふっと目が合って、にこって笑ってきたら、もうだいたい向こうはこっちにモーションがあるんです。そこでにこって返すと、「ハロー」って話し掛けて来ます。そこから話し始める感じですね。
私はその時やさぐれてたので、だいたい成立させてました。させにいってました。
―――彼のことを忘れようと?
忘れようとしてました。
―――今はやさぐれていないですよね。新しい彼氏が出来たと伺いましたが?
はい。彼が出来てからは一途です。(彼は)社会人で、アメリカ軍基地で飛行機整備士をしてる方なんです。向こうは寮住まいなので、一緒には暮らしていないですが、よくデートには行きます。
―――デートはどちらに?
ふたりとも結構オタクなんですよ。私も漫画が大好きで、彼も漫画が大好きで、中野ブロードウェイだとかジャンプワールドだとか。東京喰種って漫画がジョイポリスをジャックした時それに行ったりとか、今度は東京タワーのワンピース展に行こうっていってます。
凄い素敵な彼で、喧嘩した時に私が「もう会わない!」って言っても、「会いたいよ」って言ってくれて、「でも嫌だよ」って拗ねて、そのままに家帰ったら、駅の前でバラの花束を持って待ってくれていたりだとか。
―――素敵ですね。日本人には真似出来ない感じです。
アメリカでは、バレンタインは男が女にあげるんですよ。バレンタインの時は一緒に家に帰ったら、家の前にギターと花の鉢植えが置いてあって、それがプレゼントだったりとか。
日本語を覚えたてで、「だいすき」ってコメントした私の写真をInstagramにあげてくれたりだとか、とにかく可愛らしいんです。日本の男性はシャイじゃないですか?(彼は)気持ちをフルに伝えてきてくれる素敵な彼氏です。
―――お話を少し変えましょう。ディズニーランド・シーに合計で300回以上行ったことがある?
父がディズニークラブの会員で、母がオリエンタルランドの株主なんです。ふたりが年間パスポートを持っているので、私が株主券で行けたりとかしますね。私の実家はひと部屋が「ディズニー部屋」になっていて、グッズだけで埋め尽くされている部屋があるんです。それくらいの、かなりのファンです。
(ディズニーで)「トイレに行きたい」ってなっても、普通の人はトイレの場所が分かないじゃないですか。私はそこにいる地点で一番近いトイレに案内することが出来ます。「トイレに行きたい」「じゃああそこ!」みたいな感じで。一番大きいトイレがどこだとか把握してます。だから、ディズニーに行く時はガイド役としてかなり誘われます。
―――お笑い芸人以外で副業もなさっているとか?
新宿で英会話講師をしています。朝から英会話しに来る方がいらっしゃるので。
(朝から)ずっと教えていますね。英語には自信があるので。
―――ちなみに、外国人にナンパされた時に使える英会話みたいなのってありますか?
うーん。ナンパされた時とは少し違うんですが………
Do you come here often? っていうのがありますね。「よくここにはくるの?」っていう最初に話し掛ける時の言葉で、日本で言う「あちらのお客様からです」くらいの、ちょっとネタにされる感じの言い回しですね。
―――ありがとうございました。