今回お話を伺ったのは、サンミュージック所属のお笑いコンビ「ぽ~くちょっぷ」の篠木さん。この記事は、世の男性陣必見の内容かも知れません。おしぼりを頼まれたら要注意?タオルの重さで分かること?知られざるソープランドの裏側とは?
―――篠木さんは、群馬県のどちら出身なんですか?
館林です。
日本一熱い所です。「熊谷」か「館林」かって比べられてます。
国道122号線が走っていて、みんなワンツーツーて呼んでます。まあ、分かるのは地元の人だけですね。あと、そこら辺のひとはみんな、もれなくNACK5を聞いてますね。10年前くらいにファンキーステッカーっていう、(ラジオに)応募したら全員貰えるステッカーみたいなのがあって、それを車に貼っている同士で「ファンキー」って言い合うのが流行ってました。
―――群馬には、世界に3つしかないハーゲンダッツの工場がある?
フランスとアメリカと、群馬。高崎にあるんです。アジア圏のハーゲンダッツはほぼ群馬県で作られてる。
ちなみに、サッポロ一番も群馬県で作られてます。札幌ではなく、群馬県。
あと、群馬県で自慢できることと言えば、スカイツリーから地元の館林までが63.4キロなんです。それを記念して武蔵(634)うどんというものが町おこしで作られました。
―――本題に入りましょう。昔、「うんこを切る仕事」をしていたとか?
二週間くらいしかやってなかったんですけれども、水道関係のアルバイトですね。
(うんこが)下水道に溜まってしまうんですよ。それをどう取り除くかというと、農薬みたいな乾燥剤を撒いて、乾燥した大きな塊にするんです。それをチェーンソーでばさばさ切って取り除いていく。
―――匂いはしますか?
ありますよ。かなりくさいです。ただ、一応は乾いてはいるから我慢は出来る。眼鏡とマスクで完全防備ですけど、匂いが移るんです。
―――時給はいい?
群馬の中ではいいですね。時給1100円くらい。
普通はみんな600、700いくらでやってるので、キツイ分は貰えましたね。
―――ソープランドのボーイもされていたとか?
職業としていい経験をさせて頂きました。いわゆるイイ経験はないですけどね。みんなによく聞かれるんですけど、そういうことしちゃうとぼこぼこにされるか、指がなくなるかくらいの厳しい世界です。
っていう体にはなってるけども、二、三ヶ月に一回くらいは女の子と社員のひとが急に飛んだり(いなくなったり)することがあって、「ああ、あのふたりはそういうことなんだな」って思いましたね。
―――駆け落ちみたいなことですか?
そうですね。5、6年働いていて良い地位になったひとでも、そうなってしまうと、ぱっといなくなる。
―――他には何か印象的なエピソードはありましたか?
あとは、女の子側から電話で「あるキーワード」を言うと、ちょっと悪い客だなっていう合言葉があるんです。お店ごとに違う隠語が決められていて、例えば簡単なものだと「おしぼりお願いします」だとか、「シャンプーお願いします」とか、本当に簡単で言いやすい言葉で、それが出ると「その男はなんか不味いことをしてたんだな」って風に認識されるんです。
そして、その電話がフロントに来た瞬間に、音楽を止めて、ドアを閉めて、鍵を掛けて、逃げられない状態にして、その客が出てくるのを社長以下全員で並んで待つんです。その時は尋常じゃない程の緊張感が店中に伝わるんです。
本当に怖い。
お客さんたちも待合室に通されて、とりあえず動かないで下さいって言って、静かにさせるんです。半年に一回くらいはそういうことがありましたね。
―――禁止行為とかですか?
そうですね。アドレス聞いたりとか、カメラ(盗撮)とか。
ただ、若い子の場合はやたらそういうのがあるんですよ。
若い子のいる店をギャル店って言って、歳上のことは妻店って言うんです。ギャル店、お姉店、妻店の順番で年齢層が分かれてるんです。で、ギャル店の子はあんまり世間を分かってなくて、わがままな子が多い。そして、ちょっとでも嫌だと、悪質行為だってことにしちゃうんです。(怒られた人の中には)そのとばっちりを受けてしまったこともあると思います。
その点、妻店の方まで行くと、慣れてるし、「ここをやめたら次にどうなるか分からない」っていう所まで来てるので、やっぱりある程度の所まで我慢して、お客さんを大事にすることが多いです。
部屋が店に10個とか8個しかないのに、女の子が20人とかいたりしたら、準備が早い子が有利で、営業時間内に何回その部屋を使えるかっていう戦いになってくるんです。そうすると妻店の人の方が準備が早い。若い子の方は、「お腹痛い」とか「頭痛い」とか寝てたりとか、準備してないとかあるので、色々大変な思いをすることになる。
―――真面目そうな篠木さんからこんな話が出てくるとは思いませんでした。
まだまだあるんですよ。
(ソープランドに)入ってくる人は、ちょっとおかしいひとが多いんです。
―――お客さんが、ということですか?
お客さんもそうだし、社員のひともそうです。中には真面目なひともいるんですけども、やっぱり色々な所行って駄目だったひとっていうイメージがありますね。歯がなかったり、歯はないけどタトゥーだらけで、ここに彫ったらかっこいいとか。
―――まず歯を入れろよ!ってツッコんだ?
思いましたけど(笑)
そうですねって相槌を打ってました。
24時までに閉店させないと(法律的に)禁止になってしまうので、その時間内で部屋を多く使う為に、男性側も片付けの手伝いに行くんです。その時に、すぐに部屋に出入り出来るように、社員はサンダルなんですよ。ワイシャツ、スラックス、サンダルっていうシステムなんですけど、そのサンダルの話で異様に盛り上がりますね。おしゃれする所がネクタイかサンダルしかないので、そこで差をつけるんです。アディダスのサンダルなんか履いてたら英雄になれますね。「あそこで買ったぜ?」みたいな。
―――今もやられてる?どのくらい働かれていたんですか?
今はほぼ行ってないんです。
かれこれ3年くらいやってますね。一応は、まだ在籍してる筈です。日払で、時給は1000円です。常に人が足りないんですよ。あと、時間もキツい。日の出から24時までなので、冬は短いんですよ。6時半か7時にオープン。でも、夏は3時半とかからオープンでそこから24時までずっと働ける限り働くんです。
あとは、(プレイで使う)タオルがあるんですけども、たくさん使う上に、お店が密集しているので、何トントラックみたいなのでどんどんタオルが積まれてくんです。そのタオルで分かることなんですが、ギャル店の子より妻店のひとの方がローションを使う量が多いのでタオルが重たいですね。技術みたいなのを感じます。
―――ご自身は行かれない?
二回だけ、行きましたね。働いちゃうとそこの系列は行けないので。
だから、隣の店から来る常連とか、こっちの店から来る向こうのひととかがいます。「今日入ってる?」みたいな感じでね。
―――働いているからこそ分かる、行っちゃいけないお店とかありますか?
可愛くて若い子が多い店のほうが、ちょっとアレかも知れないですね。あんまり行かないほうがいいかも知れないと思います。若い子は、お金を楽に稼げるっていう感覚なんで、サービスは悪い。店員側としてもお客さん側も、年上の人がいる店の方が気が楽ですね。指名も多いですし。写真で選ぶと、可愛い子が選ばれるのは最初だけ。あとはどんどん(人気が)下がっていくんですよ。
―――ありがとうございました。