ザ・マミィ 実力派コント芸人として評価された元ハガキ職人と哀愁漂うキャラクターのコンビ
人力舎らしい実力派コント芸人
お笑い芸人の所属事務所にはそれぞれのカラーがある。もちろん、どこの事務所であっても芸人であることに変わりはないのだが、何となくそれぞれの社風のようなものがあり、同じようなタイプの芸人が自然に集まってくるようなところがある。
プロダクション人力舎所属の林田洋平と酒井貴士の2人から成るお笑いコンビ「ザ・マミィ」は、見た目や芸風がいかにも「人力舎っぽい」という感じがする。人力舎っぽさを一言で言うと、どこか内向的だったり、暗かったりするところだ。
その一方で、人力舎には東京03、アンタッチャブル、アンジャッシュ、ドランクドラゴンなどの芸人が所属しており、ネタの面白さに定評のある芸人が多いというイメージがある。ザ・マミィも、ネタが評価されて世に出てきた。
トリオを解散してコンビとして再始動
林田は、根っからのお笑い好きで、学生時代にはラジオ番組にネタを投稿するハガキ職人でもあった。名門の筑波大学に進学していたものの、芸人への憧れが捨てきれず、大学を中退して人力舎のお笑い養成所の門を叩いた。
一方の酒井は、運動が苦手でからかわれやすいタイプであり、それが原因で転校を繰り返した。大学でも友達ができず、パチンコ、風俗に溺れて、借金を重ねていた。お笑い好きだった彼も同じ養成所に入った。
そんな彼らは養成所で出会い、もう1人のメンバーと卯月というトリオを結成した。トリオでもそれなりに結果を残していたのだが、あいにく解散してしまうことになった。その後、林田と酒井だけでコンビを結成して、活動を再開することになった。それがザ・マミィができたきっかけだ。
彼らの活動は順調だった。元ハガキ職人の林田の発想力と哀愁漂うキャラクターを演じる酒井の演技力を武器にして、2019年に『ツギクル芸人グランプリ』優勝、2021年に『キングオブコント2021』準優勝を果たした。
イジられキャラの才能が開花
酒井は背が低く、ちょび髭をたくわえていて、借金を重ねていることから、同じ事務所の先輩である岡野陽一とキャラクターが重なると言われることが多い。実際、酒井は岡野のことを慕っており、親密な付き合いを続けている。
酒井はイジられキャラとしての才能を評価されて、バラエティ番組でもドッキリを仕掛けられたりすることが多い。コントでキャラクターを演じているときの雰囲気を評価されて、それがバラエティにも生かされるというのは、芸人として理想的なパターンである。
たしかなコントの実力を持つザ・マミィは、今後も人力舎芸人らしい人力舎芸人として息の長い活躍をするだろう。