あなたは『ミケぽちゃ』を知っていますか?

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今回お話を伺ったのは、サンミュージック所属のお笑いコンビ「ハニートラップ」の八木さん。サムネイルを見て頂ければ、彼女がどんなエピソードを語ってくれるのかは想像に難くないだろう。100キロ以上の女性しか参加することの出来ない婚活パーティーとは………!?

―――ぽっちゃりにまつわるエピソードいくつかありますので、これから順番に聞いていこうと思います。まずは、スカウトの話を教えて下さい。

 

ある時ですね、道を歩いていたら、男の人が私を見て「すっごい、いいね」「すっごい輝いてる」「魅力的だよ」って言ってくれて、「ああ、ありがとうございます」って言ったら、「実は僕、プロモーションビデオを撮ってるんで、よかったら君に出て欲しいんだよね」ってスカウトされたんです。

 

それで「例えば、どんなプロモーションビデオですか?」って聞いたら、あの、100キロ超えの肥満女性30人でソーラン節を踊るビデオって言われたんですよ。

 

―――本当ですか!?(笑)

 

いや、それどんなビデオや」って思ったんですけど、「君だったら最前列踊らしてあげるよ」って言われまして、「最前列かあ」ってちょっと嬉しかったんですけど、(その時は)もう事務所に入ってましたし、多分アダルト系のビデオかなって思ったんで、「サンミュージックっていう事務所に入ってるんで、そちらに通して下さい」って伝えて、それからは何も連絡がなかったんです。

 

そうしたら、その後日に、また同じ男の人に会いまして、その人がまた、「君こないだ会った子だよね」「いいねえ、育ってきてるねえ」って言うんです。前回から大分経ってたんで、10キロぐらい体重が増えてたんですよ。それで、「またちょっと新しいPVを撮ろうと思う」って。その企画が、「グラビアアイドルがビーチバレーをしている中に私が乱入してくる」っていうビデオなんだけど、どうだ?って言われて、それもサンミュージックに通して下さいって言って、話が流れたっていう。………そんな感じです。全然連絡が来ないんです。

 

―――ちなみに、最初の時は何キロくらいだったんでしょうか?
最初の時は100キロで、次会った時が、煩悩の数108キロです。

 

―――今現在は何キロですか?
108キロです。キープしてます。

 

 

―――痩せる方向に向かわずにキープする所が流石です。さて、次の質問に移りましょう。「100キロの女性しか参加できない婚活ナイト」、体重計が置いてあって、厳しく計られる。足りない女性が来て水を被ろうとしていた。詳しく説明していただきましょうか?
イベント名は出したらダメかも知れないんですけど、「ぽっちゃりねるとん」って言いまして、10年間続く、ぽっちゃりの女子とぽっちゃり好き男子の婚活イベントがあるんです。

 

―――10年間もある!?
はい。

実は私、2年前にそのスタッフをやってたんです。

 

毎回そのイベント毎にジャンルがあるんですよ。「プチぽちゃ編」とか、「中ぽちゃ編」「激ぽちゃ編」。どういう意味か分からないと思うので説明しておきますと、「プチぽちゃ」っていうのは80キロぐらいのぽっちゃりさんをプチぽっちゃって言うんですね。

 

―――80キロでも「プチ」ぽちゃなんですね。
はい。プチぽちゃです。
そして、「中ぽちゃ」が90キロ。その上の「激ぽちゃ」が100キロ。

 

―――100キロオーバーが「激」。
あとは、私みたいな3桁のぽっちゃりは、「ミケぽちゃ」っていうんですよ。

 

―――三桁だから「ミケ」!(笑)
3桁のぽっちゃりでミケぽちゃ。

 

それで、やっぱり、ミケぽちゃって日本人にはあまりいないんですよね。日本人の体質からしたら、100キロ超えるって、結構、壁があるんです。才能なんですよ。100キロの壁を超えるのは難しいんで。100キロ超えなると、ぽっちゃり好きの男性から、圧倒的にちやほやしてもらえるんですよ。

 

―――要はレアなわけですね。

そうです。

レアなんです。

ただのデブからレアなデブになれるんで。ミケぽちゃの会の時は95、6キロの女の子とかは、その会に入る前にめっちゃ食べてきたり、水がぶ飲みして、とりあえず100キロ超えるように頑張ってくるんです。ボクシングの逆みたいな感じで体を作ってきて。

 

それで、何とかして行くんですけれども、ぽっちゃりって何が魅力かっていったら、おっぱいが魅力なんですよね。でも、やっぱり、100キロを超えてくると、その、ウエストと胸の差が無いんで、実は、裏でコルセットを巻いてたりするんですよ。

 

―――コルセットを巻いて、盛るわけですね?
私がスタッフでトイレに行ったときに、トイレの中から「うーん、うーん」ってうめき声が聞こえてて、「あれ、何か苦しいのかな」と思って「大丈夫ですか?」って言ったら、急に扉が開いて「すいません、コルセットの後ろ締めて下さい」って言われて。「ええ?」ってなるじゃないですか。まあでも、お願いだから「わかりました」って締めたんですよね。

 

それで、そのままスタッフやってたんですけれども、普通の婚活パーティーと一緒で、1:1でしゃべっていくんですけども、そのコルセットの彼女が、私がMCで喋っている時に、近くにいてずっとその子を見てたんですけど、笑う度にコルセットが締めつけられたみたいで、過呼吸になってたんですよ。「あっはは!」「はぁはぁ」みたいなことになってて、「かなり無理してるなあ」って思って。

 

じゃあ皆さん。乾杯しましょう」「カンパーイ!」って声を出した時に、その子の近くから「パーン」って音がして、誰かが「何かが爆発したぞ!」って叫んで、皆パニックになっちゃうから「とりあえず皆さん外にお願いします」って言って、会場から逃げたんです。

 

―――そんなに大きな音がしたんですか?
パーンッて。

まあちっちゃかったんですけど、爆発的な感じの音に聞こえて。歌舞伎町っていう場所柄、何が起きるか分からなくてちょっと怖かったんです。外に出てしばらくして、スタッフさんに会場を見にいってもらったら、スタッフさんが「あの、すいません、これが落ちてました」って言って出してきたのが、コルセットの破片。そのコルセットが笑った瞬間にパーンッて砕けて、スカートの下から落ちてたみたいなんです。そういう事件もあったりしましたね。

 

 

ぽっちゃり好きでしたら、是非とも行って欲しいです。まだまだぽっちゃり系のイベントは沢山あるんで。

 

―――需要は尽きなさそうですね。さて、最後の質問に移りましょう。何と言えばいいんでしょうか。あの、108キロあると。その、お体はどうなんですか。「膝が痛い」とか何かあるんでしょうか?
膝は常に痛いです。

 

―――常に痛い。

 

はい。

常に痛いです。

 

後は、昔のケータイとかだと、持ってるだけで汗で水没してしまったりとか。

 

―――持っているだけで!?

 

はい。ケータイを持ってるだけで自分の汗によって水没するんです。ガラケーの時とか、ドコモに持って行ったら電池のところが赤くなっちゃってるような感じで。それぐらい、すっごい汗っかきなんです。

 

―――汗はどれぐらいかかれますか?

 

夏とかだったから、Tシャツの替えは絶対カバンに入れておかないといけないってぐらい。1日に3回くらい服を替えてますね。かくときは本当、かきますね。

 

―――そんな大変な思いをしながらも、108キロでキープしていこうと?
そうですね。
108キロで健康のままキープしていこうと。

 

―――えっ。じゃあ、今は健康なんですか?

 

健康ですね。

 

―――膝はちょっと痛いけど?

 

膝はちょっと痛いですけど、健康です。

 

―――わかりました。ありがとうございました。