今回お話を伺ったのは、サンミュージック所属のTAIGAさん。ロックンロールに合わせたりツイストを踊る軽快なネタで知られるTAIGAさんの意外な一面。それは、あるマイナーな武道の達人であるということ。尾崎豊もやっていたという「躰道」とは一体どんな武道なのか?
―――躰道三段、ということですが。ずばり、躰道とはどんなスポーツなんでしょうか?
躰道というのはですね、祝嶺正献という方が自ら創始した玄制流空手道を基に体系化し、戦後に発表した武道なんです。打撃系、蹴り技系、実践競技、系統としては空手に似ていますね。型を競い合うこともあります。
―――ちなみに私は躰道というものを知りませんでした。
今まで生きてきて、躰道を知ってるひとには出会ったことはほとんどないですね。
一応、躰道家の間で唯一自慢出来ることがございまして、実は、尾崎豊も躰道をやっていたんですよ。躰道の「躰」は旧字体の「体」なのですが、尾崎豊の歌詞カード見ると、(歌詞の中の)体は全部、躰道の躰になってるんですよ。それくらい愛していたという逸話です。ちなみに、ウィキペディアには「躰道の関係者」として尾崎豊と横並びで僕が載っています。
―――では、TAIGAさんのTAIも躰道の躰なんですね?
いや、そうではないんですよ。これは本名なんで………(笑)
―――大変失礼しました。躰道は何年くらいやられていたんですか?
10年くらいですかね。
最近また練習を再開しました。始めたきっかけは高校の部活の勧誘ですね。今にして思えば、躰道部がある高校って相当珍しいですよね。もうちょっとメジャーになってくれれば、(お笑い芸人の中では)僕しかやってないから仕事が来ると思うんですけど。
―――護身術なんですか?
まあ、そういうことにも使えると思いますね。
(ここで、インタビューアーであり現役のプロレスラーでもある梅沢が、躰道の技を受けることに。「プロレスで培った頑丈な肉体があるので、殺す気で蹴って貰っても大丈夫です」と言い張る梅沢を余所に、TAIGAさんはとても優しく梅澤を蹴ってくれた)
今のはヘンタイ卍蹴りという技です。
―――ヘンタイ卍蹴り!?
あ、「変」に「体」で変体ですよ。
こういうちょっと独特な技が多いんです。
ちなみに、躰道では、空手における組手のことを実戦と言いまして。じゃあ、空手における型のことは何て呼ぶかというと、躰道ではホウケイ競技って言うんですね。ホウケイ競技。
―――本当ですか?
本当なんですよ。みんな信じてくれないんですけど本当です。
「法」に「形」で、「法形」競技。
どれだけ力強いホウケイか、綺麗なホウケイかというのを競い合う。
―――もしかして、このくだり何回もやられてます?
いやいやいや(笑)
これは躰道家の間では真面目な話なんで、下でもなんでもないんです。ホウケイの美しさを競い合う競技なので、躰道家同士で話をしていると「いや、お前のホウケイは構えが小さいからホウケイ自体が小さく見える」とか「ホウケイに力強さがない」みたいに躰道用語として普通に使ってます。
あと、これはちょっとした自慢なんですけど、僕は躰道全日本選手権で団体ホウケイ競技優勝してるんですよ。
団体ホウケイ競技。
5人が綺麗に揃ったホウケイ。
―――ネタですよね?
だからネタじゃないですよ(笑)
―――でも、5人で型を合わせるって相当大変ですよね?高校時代は相当練習されたんじゃないですか?
やりましたね。
かなり厳しい部活だったので。
―――その年頃にホウケイ競技の話をしてたら、かなりウケそうです。部活には女子はいたんですか?
いましたよ。女子にもホウケイがあるんで。
男は太のホウケイで、女は陰のホウケイですね。
―――これも本当にそうなんですか?
はい。本当です。
女性のホウケイも中々美しいですよ。
―――美しいんですね(笑)
それはそれで、素敵なホウケイなんですよ。
―――ありがとうございました。
躰道について特集を組もうとしているテレビ関係者、あるいは「ア●トーーク!躰道芸人」をやりたいけれどメンツが集まらない!とお考えのア●トーーク!関係者の方がいたら、是非TAIGAさんに声を掛けて頂きたい。