カミナリ 爆笑を巻き起こした「ドツキ漫才」が評価された3つの理由

カミナリ 爆笑を巻き起こした「ドツキ漫才」が評価された3つの理由

茨城県出身の幼馴染で結成された漫才コンビ

カミナリは、茨城県出身で幼馴染の竹内まなぶと石田たくみの2人から成る同級生コンビである。デビュー当初は主にコントを中心に演じていたが、なかなか芽が出なかった。
『M-1グランプリ』に出場するために漫才を始めてから、徐々に注目されるようになった。2016年と2017年には2年連続で『M-1』の決勝に進み、そこからは一気に仕事も増えていった。

カミナリ

「ドツキ漫才」は賛否両論だった

彼らが『M-1』の決勝で披露したのは、小柄なたくみが大柄なまなぶの頭をこれでもかというくらい力強くはたく「ドツキ漫才」だった。見ていて痛そうという心配が先に来てしまうほどの強烈なツッコミだったため、そのインパクトは抜群だった。『M-1』の審査員の1人である上沼恵美子からは、このツッコミの必要性について苦言を呈され、世間でも議論が起こったりした。

しかし、彼らのドツキ漫才が爆笑を巻き起こし、プロの審査員からも高く評価された理由は、その「ドツキ」の部分にあるのではない。むしろ、それ以外のところで革新的な要素があったということが重要なのだ。

カミナリ

「ドツキ漫才」が評価された3つの理由

独特の「間」を持っていた

たくみがまなぶの頭をはたいてからツッコミのセリフを発するまでの独特の「間」である。
普通の漫才では、動きと言葉をほとんど同時にするものだが、カミナリの漫才では少しだけ間を空けてから言葉が発せられる。これによって見る人の興味が惹きつけられ、ツッコミのセリフがより深く刺さるようになる。時間にすると1秒にも満たないような微妙な間なのだが、これが実に効果的に作用している。

あえてセオリーの逆を攻める

ボケ数の少なさである。『M-1』優勝を目指す芸人たちの間では、ボケ数を増やす方が勝ち上がるためには有利であると言われている。実際、そのような漫才は笑いどころが多いので、盛り上がっている雰囲気が出やすい。

しかし、カミナリはあえてその逆を行き、ボケ数を極端に少なくした。その分、一つ一つの笑いどころの印象が強くなり、威力も増す。彼らはあえてセオリーの逆を行くことで目立つことができたのだ。

観客の満足度を上げる工夫

ネタの中に伏線回収が仕込まれていることだ。ネタの序盤で意図的に伏線を仕込んでおき、それを終盤で回収していく。このミステリー仕立ての工夫によって、彼らの漫才を見た後の観客の満足度が上がる。これも実に周到な作戦である。

のんびりした茨城弁の掛け合いから、彼らに素朴なイメージを持っている人も多いかもしれないが、実際には計算高い戦略的な芸人でもある。彼らが『M-1』で一躍スターになったのは、単なる偶然ではなかったのだ。

お笑いTVで、カミナリの動画を観る。