我が家 お笑いの歴史に名を刻むことに成功したローテーション漫才とは

我が家 お笑いの歴史に名を刻むことに成功したローテーション漫才とは

ローテーション漫才という発明

漫才の基本は「ボケとツッコミ」である。ほとんどのお笑いコンビは、ボケ役とツッコミ役に分かれてネタを進めていく。一方が会話の途中でボケを放つと、もう一方がそれをたしなめるようにしてツッコミをいれる。

ボケ役とツッコミ役が明確に分かれているというのが最もオーソドックスな形だが、それ以外にもさまざまなバリエーションがある。たとえば、「Wボケ」で知られる笑い飯は、同じシチュエーションでお互いが交互にボケ合い、ツッコみ合う。彼らの漫才スタイルは実質的には「Wボケ・Wツッコミ」である。

やすきよのボケ・ツッコミは流動的

また、レジェンド漫才師である横山やすし・西川きよしは、基本的にはやすしがボケ役、きよしがツッコミ役を担当しているものの、部分的にはきよしがボケに回ることも多く、ボケとツッコミの役割は必ずしも固定されていなかった。

さらに言えば、2人が同じ世界観に立ってボケ続けるような、ツッコミ不在の漫才というのも最近ではそれほど珍しいものではない。「ボケとツッコミ」は漫才の基本ではあるが、その分担方法にはさまざまなバリエーションが存在する。

この原則はトリオ漫才でも変わらない。トリオの場合、通常は大ボケ、小ボケ、ツッコミ、という役割分担をすることが多い。2人がボケ役を担当して、1人がツッコミに回る。角度の違うボケを2人がたたみかけることで、ネタに奥行きを出すことができる。

立ち位置を入れ替えるという発明

そんな中で、我が家はトリオ漫才の歴史に残る画期的な発明をしたことで知られている。それは「ローテーション漫才」と呼ばれるものだ。

「野球選手のプロポーズ」などの設定のもとで、中央にいる人間が下手(客席から見て左側)にいる人間に話しかける。それに対して、上手にいる人間がダメ出しやツッコミをする。その後、彼らはポジションを入れ替えて、上手にいた人間が中央に来て、再び下手側の人間に話しかける。それを繰り返して、3人の立ち位置を常に入れ替えながらネタを進めていく。これがローテーション漫才である。

中央に来た人間が順番にフリ、小ボケ、大ボケを演じていくので、とにかくわかりやすくて面白い。さらに、このローテーションを基本としつつも、緩急をつけてさまざまな形のボケを挟むことができる。

この革新的なトリオ漫才の形を生み出したことで、我が家は一気に売れっ子になり、『爆笑レッドシアター』などの人気番組に出演して、一世を風靡した。その後、坪倉由幸は俳優業でも活躍している。

漫才はボケとツッコミの2人で行うのが普通なので、3人でやると1人を持て余すことになりやすい。その点、ローテーション漫才は、3人でやるからこそ面白くなるという意味で画期的なネタだった。我が家は、このネタによってお笑いの歴史に名を刻むことに成功したのだ。

お笑いTVで、我が家の動画を観る。