コントのネタや設定の作り方とは? 爆笑間違いなしのノウハウをご紹介

コントのネタや設定の作り方とは? 爆笑間違いなしのノウハウをご紹介

コントとは?

コントは、フランス語で「寸劇」を意味する言葉で、特に日本では笑いを目的とした寸劇のことを指します。舞台上にいる2人が、あくまでも本人として面白い掛け合いをする漫才に対して、コントは、ストーリーや設定に基づいて架空の人物を演じるのが特徴です。

寸劇という名前の通り、コントとは一種の演劇です。衣装や小道具なども含めて世界観を作り、その設定を演じることで観客が笑いに集中することができる空間を作り上げます。そのため、練り上げた世界観を伝えるのにある程度の時間が必要になり、複雑なネタになるほど全体の時間が長くなってしまいます。ネタによっては、10分以上のコントを行うコンビやトリオもいます。

漫才は、ふたりの漫才師があくまでも自分として面白い話を繰り広げますが、コントの場合は、そのストーリーにおける役柄になり切って話を展開していくのが特徴です。たとえば登場の際、漫才師は自己紹介や導入の小話をしますが、コントは「作り上げた世界観に浸ってもらう」ことが重要なので、いきなりセリフから入っていくことが多いです。

コントを考えるうえで重要なポイント

制約がないため、漫才よりも自由度が高いネタを作ることが可能なコントですが、「観客を笑わせる」という目的がある以上、一定のルールが存在しています。脚本で言うところの「起承転結」のように、踏まえておかなくてはならない幾つかのポイントがあるのです。ここからは、コントを考えるうえで何に気を付けなくてはならないのかを説明していきます。

1. 題材を考える

寸劇というからには、コントを考えるうえで何よりも先に考えなくてはならないものが「題材」です。会社、コンビニ、学校などのロケーションはもちろん、先輩と後輩、上司と部下などの関係性など、題材は無数に存在しています。それらを組み合わせることによって、コントの土台を作り上げていきます。

先ほど例に挙げたコンビニなどは、様々なお笑い芸人によってやり尽くされているものですが、多くの人が必ず訪れたことがある場所なので、共感を得やすいという利点があります。突拍子もない題材を選べば、それだけ観客の度肝を抜くことができますが、そのぶん共感を得にくかったり、笑いどころが伝わりにくいというデメリットもあります。

2. ストーリーを考える

題材が決まったら、次はストーリーを考えてきます。喋りを見せる漫才と異なり、コントは役柄になりきり、役者としての台詞の応酬によって物語を牽引します。ストーリーがつまらなければ、どんなに素晴らしいボケやツッコミを用意していたとしても、トータルでの満足感は決して高くはなりません。

選んだ題材を元にして、「どんな出来事が起きたら面白いだろう?」と考えながらストーリーを組み立てていきます。たとえば、「会社」「学校」「先輩と後輩」「上司と部下」の4個を組み合わせれば、「会社の上司として赴任してきたのが高校時代の後輩だった」というストーリーを作ることができます。

3. 笑いどころを設定する

ストーリーが出来上がったら、次は「笑いどころ」を設定しましょう。ただ単にストーリーをなぞるのであれば、それはコントではなく演劇です。コントである以上、物語の中に笑えるようなポイント、笑いどころが必要不可欠です。

先ほど例に挙げた「会社の上司として赴任してきたのが高校時代の後輩だった」というストーリーであれば、昔はパシリにしていた後輩にこき使われたり、タメ口を使われるといったシチュエーションを笑いどころにできるでしょう。そのシチュエーションに応じたボケとツッコミの掛け合いやリアクションによって観客の笑いを誘うのです。

4. オチを用意する

最も難しいものの、極めて大切な要素が「オチ」です。いわゆる「伏線回収」と言い換えることもできます。笑いどころに関係しながらも、全体のストーリーをまとめることのできるオチを用意できれば、コントのクオリティーは格段に上がります。とはいえ、好きなように題材を考えてストーリーを膨らませていくと、風呂敷を畳むのが難しくオチのないコントになってしまいがちです。

スッキリとしたオチをつけるためには、ストーリーを考える時点であらかじめオチも含めて考えておくと楽です。オチは「納得」でもいいですし、「意外性」があるものでも構いません。「男性だと思っていた登場人物が実は女性だった」「聞き間違いをしていて、実は最初から会話が噛み合っていなかった」など、強いオチはそれ自体が「題材」にもなり得ます。オチから逆算してコントを作り上げていくのも、ひとつの手だと言えます。

役割設定の考え方

コントでは、コンビ(またはトリオ)でそれぞれの役柄を演じることになりますが、「その役をどちらが演じるか?」という役割設定も重要になってきます。

たとえば、おじいちゃんの役を演じるのであれば、コンビの中で比較的老け顔の方が演じた方が説得力やリアリティが出ますし、お互いに似ていないのであれば、かつらや付け髭などを用意しなければなりません。

他にも、小柄な方が大男を演じても観客には伝わりにくいですし、完成度の低すぎる女装姿だと「これ自体がボケなのかな?」を思われ、かえってコントへの没入を妨げてしまう可能性があります。演劇において「配役」が重要視されるのと同じように、外見や声量、演技力など、各々の個性に合わせて役割を設定することで、コントのクオリティーを底上げすることができるのです。

おすすめのコント芸人3選

面白いコントを考えるためには、面白いコントをたくさん見て勉強することが肝心です。ここからは、演技力やオチの完成度が高く、コントを考えるうえでお手本になるオススメのコント芸人を紹介していきます。

東京03

東京03のネタは、それまでのお笑い芸人たちのコントとは一線を画する完成度の高さで、「コントと言えば東京03」と答える芸人が多いほどの実力です。「あるあるネタ」や「会話のすれ違い」といった典型的なネタはもちろんのこと、斬新な題材を取り扱ったり、テンポのいいボケとツッコミの応酬を見せるなど、総合力の高いコント芸人と言えます。また、メンバーのひとりである角田晃広は俳優としてドラマに出演するなど、その演技力も高く評価されています。まさに教科書のようなコントが見られるので、「コントを考えてみたい」という方は、まずは東京03のネタを見てみることをオススメします。

ジャルジャル

『M-1グランプリ』での印象が強いかも知れませんが、ジャルジャルの漫才はいわゆる「コント漫才」に分類され、彼らの強みは「コント」だと言えます。ジャルジャルの武器は、圧倒的な「引き出し」です。運営しているYouTubeチャンネルを毎日更新し、毎日新しい設定のコント動画を配信しています。あらゆる題材を網羅し、それに合わせたボケとツッコミを瞬時に叩き出す、いわば「コントのデパート」のようなスタイルです。「どういう切り口で題材を考えているのか?」を知りたければ、ジャルジャルのネタを見るのがうってつけと言えるでしょう。

おいでやすこが

おいでやす小田こがけん、ピン芸人同士で結成されたお笑いユニット「おいでやすこが」は『M-1グランプリ』での活躍によって瞬く間にブレイクしましたが、ふたりの芸風も「コント漫才」に分類されます。得意とする歌ネタはもちろん、映画ネタを使ったコントのレベルも非常に高く、飛び道具も使える実力派として地位を確立しています。演じる役柄もそうですが、本人のキャラクターを最大限に活かすという特徴があり、自分たちの魅力を押し出していきたいと考えているコント師は、おいでやすこがから学べることが多々あるでしょう。

まとめ

敷居が高そうに思えるコントですが、しっかりと手順を踏んで考えていけば、誰にでもネタを考えることが可能です。漫才と同じく、「自分たちにはどのようなネタが向いているのか?」を考えながら、観客の度肝を抜くような斬新なコントを作ってみてください。

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